他宗を「邪宗」と罵った創価学会は変わったか カギは排他性、攻撃性を超克できるか否かだ 

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創価学会の本部(編集部撮影)

創価学会というと他宗教に排他的で不寛容な教団だと世間では認識されている。創価学会の家に生まれ、誕生後すぐに入会した私は大人になるまでの過程で、この教団が他宗を激しく攻撃する姿を幾度となく見てきた。だから、世間の認識は必ずしも外れてはいない。

幼少期の話をしよう。私は、他の学会の子どもたちと同じく、親から「神社の鳥居をくぐってはいけません」「お賽銭を投げてはいけません」「他宗の神社で手を合わせてはいけません」などと教わってきた。その頃、学会では他宗教や他宗派のことを「邪教・邪宗」と呼んでいた。当時は邪教・邪宗に対して嫌悪感を抱くのが正しい学会員のあり方なのだという空気さえあった。

そんな私には、1993年、小学校6年生の時の修学旅行での忘れられない思い出がある。旅行先は日光だった。私は両親の教えを忠実に守り、その地の神社や寺で手を合わせるといった宗教的行為はしなかった。母親からは「社寺にいる間はずっと南無妙法蓮華経(=学会員が日常的な宗教儀式などで唱えるフレーズ)と心の中で唱え続けなさい」と言われていたので、それも実践した。

だが、旅行の最後の最後で私は大失態を犯してしまう。

土産の「ダルマ人形」で母親は頭痛に

私は親を喜ばせようと土産を買った。購入したのはダルマを模した人形だった。「お母さん、喜んでくれるかなあ」と、小学生らしい心持ちで。

ところが家に帰ると母の様子がおかしい。「どうしたの?」と聞くと、朝から頭痛がするのだという。心配しつつ、私は母に贈り物でもするかのように「じゃーん!」とダルマ人形を披露した。母の形相が変わった。

「朝から頭が痛かったのは、この人形のせいだったのね! こんな邪宗のダルマをあなたが買ったから私がこんな目に遭っているのよ!」

そう激高しながら母はダルマの人形をごみ箱に捨ててしまった。当時、私の中には「ダルマ=邪宗の祖」という認識はなかった。だから土産に選んだのだが、子どもながらにショックだった。部屋に駆け込み、ひとり泣いた記憶が今でも残っている。

こうした経験をした「創価学会2世」は我が家に限ったものではない。私と同じ2世の友人は「邪宗」の寺で購入した財布を土産に持ち帰ったところ、やはり母親が激高し、財布を奪い取るやいなや庭で燃やしてしまったという。彼のショックはいかばかりだったか・・・・・・。

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