
物置の中で寝ていた
「子どもの頃、両親からはとにかくよくたたかれました。家の外に逃げ出すと父親は追いかけてきて、2メートルくらいの竹の定規でたたくんです。たたかれた後も、決して家の中には入れてもらえませんでした。そんな夜は寒さをしのぐため、物置の中で寝ていました」
孝さんは、少年期のつらい過去を振り返る。
「普通の家庭であれば、たたく父親を母親が制止したりするでしょう。でもうちは違った。母親が私の身体を押さえつけて身動きできなくなったところを父親がたたくんです。私に逃げ場はありませんでした。あの真面目な両親に、どうしてあんなことができたのか・・・・・・」
キリスト教を母体とするエホバの証人は、アメリカに本部を置く新宗教だ。日本支部は「ものみの塔聖書冊子協会」として政府に宗教法人として認可されている。日本支部によれば、国内で約21万人が伝道活動をしているという。聖書に記されていることを厳格に実践しようとするところに同教団の特徴がある。