「論理的だけど科学的ではない人」は意外と多い 因果関係と相関関係の違いがわかりますか?

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サイエンスの世界では、ある分析結果から「AならばB」という因果関係が成り立つと推測される場合、それ以外の一般的なケースにも当てはまるかを必ず検証します。これを外的妥当性の検証と呼びます。

どんなケースで「AならばB」が当てはまるのかがわからなければ、AとBの間の因果関係を示すことはできません。因果関係を示せなければ、Aをしたからといって、Bという結果が生じるとは限らないわけです。

何が原因となって、どんな結果が生じるのか。その因果関係を推論する手法が、「科学的思考法」です。科学的思考法を必要とするのはサイエンティストだけではありません。むしろ今の時代は、ビジネスパーソンこそ身につけるべきだと考えます。

その理由は、科学的思考法が実務における意思決定の質を高めるスキルだからです。ある事例を自社に導入すべきかを判断する際も、科学的思考法が身についているかどうかが、成否を大きく左右します。

ダイエットコーラを飲むと太る!?

因果関係とよく混同されるのが、相関関係です。相関関係も因果関係も日常でよく耳にする言葉ですが、明確な定義に基づいて使い分けているケースは思ったよりも少なく、ビジネスシーンでも誤った意味で用いられることが多々あります。

意思決定の質を高めるために重要なのは、あくまで因果関係であって、相関関係ではありません。

例えば、Aが増えるとBも増えるのであれば、AとBには「相関関係がある」と言うことができます。しかし、Aの増加が原因となってBが増加しているという証拠がなければ、「因果関係がある」とは言えません。

この2つを混同すると、どのような問題が生じるのか。わかりやすい例を1つ挙げましょう。

ある研究者がファミリーレストランで客の行動を観察していました。すると、「太った人たちは、ダイエットコーラを飲んでいることが多い」と気づきました。そこで研究者は、「ダイエットコーラは人を太らせる」という結論を出しました。

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