「パワフル」「カラフル」進化した新iPadの残念な点 USB-Cに変わってApple Pencilはどうなる?
背面の磁石が入っていない関係で、併売されるiPad(第9世代)でも装着が難しい。Magic Keyboard Folioは現状、iPad(第10世代)でしか使うことができない専用アクセサリとなっている。
円安がつらくのしかかる価格
Magic Keyboard Folioの日本での価格は、3万8800円に設定された。
既存のiPad Pro・Air向けのMagic Keyboardの4万4800円に比べれば価格は抑えられているが、本体とApple Pencil、Magic Keyboard Folioを合わせると、最も安い構成でも12万2480円という金額になってしまう。
用途は違うかも知れないが、参考までに256GBストレージが備わるM1搭載のMacBook Airは13万4800円で購入できることを考えると、iPad(第10世代)とそのアクセサリ群の価格は、円安の進行で、思った以上に割高になってしまっている。
ちなみに、アメリカでの価格は499ドルとなっており、税抜価格で計算したドル円レートは1ドル125円35銭で、現在のレート(原稿執筆時点で1ドル150円)からすれば、かなり価格を抑えるドル円レートの設定をしていることがわかる。
というのも、引き続き販売が継続される第9世代のiPadはアメリカでの価格が329ドルに対して日本では4万9800円からに設定されており、1ドル137円60銭のレートとなる。
2021年の発売時、iPad(第9世代)が3万9800円だったことを考えると、最も安い製品も1万円高くなってしまった点は、子ども用にタブレットを探している人や、大量導入を検討している教育機関からすると、大きな値上げと言わざるをえない。
ただ、iPad(第10世代)は、iPadの教育市場における競争力強化を狙った製品であることもまた、触れてみてわかってきたことだ。ペンとキーボードの双方が利用でき、iPhoneと同様に電源を入れればすぐに使うことができる簡単さは、Windows PCにはないメリットと言える。
アメリカにおける329ドルという価格もChromebookなどに比べれば倍近くの価格になる。しかし、性能の高さによるビデオ処理などのしやすさ、端末管理コスト、使えるようになるまでの教員や生徒側の教育コストを考えると、割高な価格を吸収して余りあると判断する教育機関も出てくるだろう。
教育現場や家庭において目的は、授業や学びが充実することであり、コンピュータをうまく動かすことではない。アップルは、教育市場における戦略モデルとして、その目的を達成するだけの価値を提供している、と考えているのではないだろうか。
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