「パワフル」「カラフル」進化した新iPadの残念な点 USB-Cに変わってApple Pencilはどうなる?

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先代のiPadまではLightningポートを備えており、Apple Pencilを直接差し込めたことを考えると、同じことをするためにケーブルと変換コネクタの2つを追加で用意しなければならず、使い勝手が低下した。

たしかにペアリングは最初だけで、充電自体も数日に1度で十分ではあるが、一度側面にくっつけて充電できる第2世代Apple Pencilを体験してしまうと、そもそも持ち運びの手間が気になってしまうのだ。

単体の変換コネクタを用意しているところを見ると、すでに第1世代Apple Pencilを持っているユーザーがiPad本体を買い換える際、Apple Pencilを買い直さなくてもいいように、という配慮といえる。

これは家庭だけでなく、iPadを大量導入してる教育機関にとっても、出費を大きく抑えることにつながる。ただ、変換コネクタは指先ほどのサイズしかなく、なくしてしまわないか心配ではある。

新しい発明「Magic Keyboard Folio」

iPad(第10世代)で最も新しくユニークな点が、新しいアクセサリに対応した点だ。Magic Keyboard Folioは、背面を完全に覆うカバーと、キーボードとトラックパッド部分を分離することができるケースだ。

これまでのiPad ProやiPad Air向けのMagic KeyboardはiPadを宙に浮かせて固定していたが、Magic Keyboard Folioは本体背面にキックスタンドが付いており、キーボードの有無にかかわらずiPadを自立させ、角度を調節することもできる。教育機関で競合となるMicrosoft Surfaceシリーズと同様のスタイルを、このアタッチメントで実現しているのだ。

iPad(第10世代)
iPad(第10世代)以前のモデルまでは、ちょうど親指の部分にカメラがあったが、写真の上の辺に移動された。横長で使うことがより強く意識された仕様変更と言える(筆者撮影)

このアクセサリに対応するため、3つの接点を持つSmart Connectorは側面に移され、キーボードとの接続に用いられる。また、横長に構えて使うことがより強く意識されたせいか、インカメラであるFaceTime HDカメラは、これまでの縦長に構えたときの上ではなく、横長に構えたときの上に移動した。

ペンやタッチ操作での利用、グループ向けに画面をシェアする用途、そしてキーボードでタイピングするスタイルと、学校や職場で想定されるiPadの用途に1つのアクセサリで対応できる点はよくできている。

しかし問題は、互換性と、日本における価格だ。

今回のMagic Keyboard Folioは、10.9インチのiPad Airや11インチiPad Proでは使用できない。というのも、前述のSmart Connectorの位置について、iPad(第10世代)は側面にあるが、iPad AirやiPad Proでは背面にある。同様に、iPad(第10世代)は既存のMagic Keyboardが動作しない。

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