習近平「おきて破り」人事で中国経済に大荒れ予感 首相には実務派よりも「軽量級」の側近を起用

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李強氏は地方での政治経験が豊富だが、中央の官僚機構を指揮した経験はない。その点で首相としての手腕には不安があると指摘されている。しかし、現政権ではトップの習氏が政策に直接介入することが多く、李克強首相の影響力は限られたものだった。いまの仕組みなら首相が「軽量級」でも問題ないとの判断をしたのかもしれない。

経済政策のキーマンも長年の腹心に

首相の権限が縮小している一方、共産党の側で経済政策を仕切る人材の重みは増している。これまで「党中央財経委員会弁公室主任」という立場で、習氏が首相の頭越しに経済政策に介入する手助けを果たしてきたのが劉鶴氏だ。習氏の幼馴染で、今大会で中央政治局員を退任した。

彼の後継者は、現在は国家発展改革委員会主任である何立峰氏とみられる。何立峰氏はこのたび中央政治局委員に昇格した。習氏が福建省で働いていた1980年代からの腹心だ。

アメリカのハーバード・ケネディスクールで修士号を取得した劉鶴氏には市場経済への理解があった。習政権がスタート当初に掲げた市場主義的な改革は劉鶴氏がリードした部分も少なくないとみられる。これに対して、主に福建省の地方官僚として歩んできた何立峰氏の経済観などは、まだ見えない部分が多い。

より実務に近いレベルでも変化の兆しがある。国際的に評価が高い銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は68歳定年に至っていないのにそれぞれ中央委員・中央候補委員から外れた。今後はこうしたテクノクラートの世界でも大番狂わせがあるのかもしれない。

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