チャン・イーモウ監督が新作に込めた想い 「文革を題材にするのはいまだタブーです」

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――文革が題材となっていますが、中国映画でこういう題材を扱うのは問題ないものなのでしょうか?

いえいえ。いまだにタブーですよ。今回も、決して自由に撮れたわけではありません。今回に関しては、あくまでも家族の物語にフォーカスして描いている。政治的なことを描いているわけではないから大丈夫だったわけです。それくらい中国では、文革をそのままに描くのは難しい。中国国内で公開したときも、いろんな意見が出ましたから。

――しかし直接的に描かれなくても、その悲劇は伝わってきます。

 そうですね。この映画では、歴史的なことは背景にあるだけで深く言及していないため、そういう意味では特に問題にはならなかったと思います。

チャン監督の次回作

――ところでチャン監督の次回作は、ハリウッド作品とのことですが、その話を教えていただけないですか?

『The Great Wall(原題)』というタイトルで、3月にクランクインを予定しています。1億数千万ドル(百数十億円)とすごくバジェットも大きく、VFXもふんだんに使われる。私自身はまったく英語がわからないんですが、今回はすべて英語のセリフで繰り広げられる映画を監督することになったわけです。

――どのような内容になりますか?

万里の長城で怪物と戦う時代劇です。私らしくないかもしれませんが、非常に特別な映画です。今は名前が言えないんですが、ハリウッドスターも3人くらい出演します。彼らが古代中国にやってきて、万里の長城で戦うという物語です。

(撮影:今井康一)
壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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