「ウェンディーズ」トレーラー店は成功するのか? 紫関社長「ファーストキッチン買収のメリット」

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2022年9月1日にオープンした「ウェンディーズ・ファーストキッチン129平塚田村店」。組み立て・解体ができるトレーラー型で、同チェーンの郊外店強化戦略の一翼を担う(撮影:大澤誠)
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9月1日、かつてない店舗スタイルのファストフード店がオープンした。トレーラーに載せたコンテナを店舗スペースとするドライブスルー店、「ウェンディーズ・ファーストキッチン129平塚田村店」だ。

同店のようなコンテナ・トレーラー型店舗の注目ポイントは、組み立て・解体がしやすく、従って出店や撤退時のコストが低く抑えられるところだ。店舗を取り壊さずリユースできるほか、狭い土地にも出店可能となるため、トータルで従来の3分の1ほどに抑えられる。柔軟な店舗展開が可能になるということだ。

真の狙いは「ドライブスルー型の拡大」

ウェンディーズ・ジャパン/ファーストキッチン代表取締役社長の紫関修氏は、今後の店舗展開について次のように語る。

「中長期的な目標として、店舗配置のバランスをとっていく。繁華街とロードサイド、とくにドライブスルー店の割合を考えたときに、全体の半分ぐらいをドライブスルーが占めるのが経営上健全な形と考えている」(紫関氏)

ウェンディーズ・ジャパン/ファーストキッチン両社の代表取締役社長、紫関修氏。かつて日本マクドナルドで経営戦略立案などに携わった経験を持つほか、フレッシュネスの代表取締役副社長、社長の経歴も。2016年に現職(撮影:大澤誠)

今回の出店については、同社の真の狙いはむしろ、ドライブスルー型の展開拡大にあるようだ。例えば都会の一等地で単価数百円のファストフードを提供するのは、単純に言ってコストパフォーマンスが悪い。客の回転率が悪ければそれだけ、店舗あたりの利益率も低くなる。その点、郊外で賃料も比較的安く、客席のないドライブスルーであれば、客席の稼働率にかかわらず低コストで利益を上げることができる。

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