「ウェンディーズ」トレーラー店は成功するのか? 紫関社長「ファーストキッチン買収のメリット」

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また「マクドナルド→マック、マクド」のように愛称で呼ばれることが繁盛店の条件とも言えるが、同チェーンは店名が長く、略しにくいのもネックだ。

2つのブランドの混在について紫関氏に聞くと、今後はウェンディーズ・ファーストキッチンの展開拡大に注力し、ファーストキッチンを増やすことはないという。しかし「ファーストキッチンの展開についてはいくつかのオプションが考えられる」(紫関)との言葉のように、ウェンディーズと別のブランドを持っておくことで、長期的な視野での経営の自由度を確保するという意味合いはあるようだ。

トレーラー型店舗は切り札となるか

最後にトレーラー型店舗第1号の平塚田村店についても少し触れておこう。トレーラー型というから狭くて簡易的な建物を連想していたが、実際にはイートインスペースなど広々としており、客席のイスもクッション入り。全体に落ち着ける空間に仕上げられている。「スライドアウト方式」といって、入れ子状になったコンテナを引っ張り出して2倍に広げることで広々としたスペースを確保しているのだという。内装も、「コンテナだから狭い、安っぽい」というイメージを与えないよう、上質感のあるつくりにこだわったそうだ。

細長いキッチンでは各自の位置を決め、役割分担で作業を進める(撮影:大澤誠)

一方キッチンとバックヤードのスペースは細長く、一般的な店舗に比べればやはり狭い。店長の菊地信寿氏によれば「キッチンに立つと2〜3歩しか動けないので、1人が1つのポジションを担当している」など、オペレーションにはひと工夫必要だ。ドライブスルー店としても2店舗目であるため、トレーラー型ドライブスルー店としてのノウハウ確立が今後の店舗展開のカギを握る。

国道沿いで周囲に学校や住宅も多く、ファミリー、学生など幅広い客層が訪れる。オープン後3日間は日商100万円を超えるなど、業績としても予想を上回ったという。今回のトレーラー店舗のオープン、ウェンディーズ・ファーストキッチンが全国展開を目指すうえで切り札となるのか。次なる展開を待ちたい。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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