――日経平均が前回高値をつけた平成バブル以降の失われた30年。金融界も大きく変わりました。
銀行が倒れるとは、まったく夢にも思わなかった。バブル崩壊直後、親しくしているアメリカ人の投資銀行のトップから電話がかかってきた。とある都市銀行の名を挙げて「大丈夫か教えてくれ」と尋ねられた。私は「そんなもん、潰れるわけがない」と答えた。だが、結果としては(その銀行は)完全にアウトだった。
――当時から国際派とされてきた宮内さんでも危機感はなかったと。
あるエコノミストにも「銀行がもたない」と言われていたが、私はポカンとしていた。国際派と言われた私ですらこの程度。国内派はもっと危機感が薄かった。
この30年超で日本は少しずつ変わってきたのは確かだ。しかし、世界と比べると今の時点ではまだまだ周回遅れだ。ひょっとしたらもっと遅れているかもしれない。
「業績の悪い社長」を替えられていない
――どのような点で遅れているのでしょうか。
端的に言うとガバナンスが効いていない。アメリカではしょっちゅう企業経営者が交代しているが、これは社外の取締役が替えている。日本では「業績が悪いから」という理由で社外取が社長を替えたという話は聞いたことがないが、アメリカでは日常茶飯事だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら