――バブル期の最高値を更新した日経平均株価が、一時4万円を突破しました。どう見ますか。
さまざまな要因が重なった結果だ。マクロ的に海外で「金余り」現象がずっとあり、その投資先として日本に資金が来た。特に、中国へ投資されていた資金、あるいは中国国内で投資されていた資金が日本に来ている。また、中東の政府系ファンドも日本への投資を増やしている。
だが、そうした外的要因よりも私が注目しているのは、この10年での日本の企業経営の変化だ。10年ほど前から、日本企業はROE(自己資本利益率)の向上やコーポレートガバナンス・コードへの対応に真面目に取り組んできた。
海外投資家から見ると、かつての日本企業は財務データに対する開示が悪く、何かを隠しているのではないかという疑心暗鬼があった。しかし、ガバナンスがよくなってきたことなどで、日本企業を適格な投資対象として見るようになってきた。
私のような古い経営者が引退して、新しい経営者への世代交代が進んだことも要因として大きい。
コストカットで育った経営者が引退
――世代交代で経営者はどのように変わったのでしょうか。
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