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日経平均最高値「古い経営者の引退」が大きい INCJ志賀会長「取引先へ甘える」構造の変革を

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日本企業の経営改革が進んだ背景には、自身のようなコストカットで育った「古い経営者」の引退が影響しているという。賃上げと価格転嫁の好循環を進めていくために、サプライヤーに甘えてきた構造を変える必要がある、と自戒を込めて語る(撮影:今井康一)

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3月4日、日経平均株価の終値は4万109円となり、史上初の4万円台を記録した。日本経済は「失われた30年」を本当に脱したのか、それとも新たなバブルでしかないのか。
日産自動車COO(最高執行責任者)や日本自動車工業会会長を歴任し、現在は経産省系の投資ファンドのINCJ(旧産業革新機構)で会長を務める志賀俊之氏に考えを聞いた。
※この記事は3月17日6:00まで無料でお読みいただけます。それ以降は有料会員向けとなります。

――バブル期の最高値を更新した日経平均株価が、一時4万円を突破しました。どう見ますか。

さまざまな要因が重なった結果だ。マクロ的に海外で「金余り」現象がずっとあり、その投資先として日本に資金が来た。特に、中国へ投資されていた資金、あるいは中国国内で投資されていた資金が日本に来ている。また、中東の政府系ファンドも日本への投資を増やしている。

だが、そうした外的要因よりも私が注目しているのは、この10年での日本の企業経営の変化だ。10年ほど前から、日本企業はROE(自己資本利益率)の向上やコーポレートガバナンス・コードへの対応に真面目に取り組んできた。

海外投資家から見ると、かつての日本企業は財務データに対する開示が悪く、何かを隠しているのではないかという疑心暗鬼があった。しかし、ガバナンスがよくなってきたことなどで、日本企業を適格な投資対象として見るようになってきた。

私のような古い経営者が引退して、新しい経営者への世代交代が進んだことも要因として大きい。

コストカットで育った経営者が引退

――世代交代で経営者はどのように変わったのでしょうか。

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