ブルーボトルが選んだパン屋は何がすごいか フリーマンCEOをうならせた「完璧な一枚」
売り上げはずっと右肩上がりという。人気の理由は、商品力に加え、何と言ってもリーズナブルな価格にある。バゲット250円、あんぱん120円、クロワッサン160円、注文を受けてから作るバゲットのサンドイッチ(ジャンボン・フロマージュ)400円……。「この値段だったら買うよねという感覚で値付けしている。原価は考えていない。材料をどんどん国産に切り替えたときも値段は上げなかった」と片根氏。高採算品と低採算品のプロダクトミックスは意識しているとのことだが、あくまでも買いやすい価格を優先している。
2007年には店の地下にカフェも併設。こちらの人気も高く、7時半開店とともに客が入っていく。遠方から来る人も多い。「地方からパンめぐりにくる女性連れも多くて。高速バスで新宿に早朝に着き、まずうちにいらっしゃる。早くから営業しているから(笑)」と、妻の片根智子さん。
モーニングのいちばん人気は「パリの朝食」(650円)。4種類のパン盛り合わせにドリンク、ミニジュース、バター、ジャムがつく。オーダーで持ち帰りできるランチボックスやケータリングも隠れた人気を誇っている。
「シンプルで飽きない味」にフリーマンCEOも惹かれた
店頭ではこだわりのポイントなど詳しい表示を控えているが、実際は材料から吟味している。ごく一部のパンに使われるものを除き、数年前から小麦粉を国産に切り替え、果物も国産品の利用が増えている。「使っている粉も変わるし僕の味覚も変わる。レシピはどんどん変わっている」(片根氏)。
レーズンやナッツもオーガニックの高品質なものを使い、菓子パン・調理パンに使われる具材(フィリング)は自家製が基本。あんぱんの餡は3日に1回、小豆を炊く。期間限定の栗のパイは、栗をむいて渋皮煮を作るところから始まる。
「数年後、2人の子どもが独立して手がかからなくなったら、もっとがんばろうと妻と話している。たとえば、今は購入しているスモークサーモンを作るとか」
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