泉・明石市長「政界引退」にネット民が落胆する訳 怒りの矛先がネット民に向く事はなかったが…

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出直し選挙以降、泉氏の活動で大きな変化となったのが、ツイッターだ。2021年12月の開設から約10カ月で、すでに約37万フォロワー(以下、数値は10月17日時点)に達している。政治家のSNSアカウントで、ここまで短期間で「発信力」を高めていくものは珍しい。

参考までに紹介すると、日本維新の会前代表の松井一郎大阪市長が約43万(2010年4月開設)、れいわ新選組代表の山本太郎参院議員が約49万(2011年1月開設)と、知名度が高く、たびたびツイートが話題になる十年選手と比肩するほどのフォロワー数を、このスピードで集めたのは、極めて異例と言えるだろう。

なぜツイッターを始めたのか。2022年1月11日のツイートで「(1)説明責任を果たし(2)明石市の施策を全国に拡げ(3)自分も楽しむため」だと語っているが、周囲からの懸念を押しのけてのスタートだったという。地元・兵庫県を地盤とするサンテレビは2022年2月、泉氏にツイッターについてインタビュー。そのなかで、泉氏は以下のように振り返っていた。

「私が相談した人はほぼ100%ツイッターはやめておけと。はっきりものを言うタチですし失言も多いタイプ。周りのほぼ全員がツイッターなどしてはダメだと言った。アンチと言われる方や強い批判の方々に対してご理解をいただけるよう努力を重ねることが市長の仕事だと思っている」(2月10日のサンテレビ記事より)

事実、ハッキリものを言う性格が、裏目に出た。3月、市内に工場を持つ川崎重工業の課税情報を無許可でツイート(後に削除)したとして、4月に調査特別委員会(百条委員会)が設置され、6月に「秘密の漏洩に当たる疑いが強い」とする調査報告書が市議会で可決された。退任表明に先駆けて、市議会で問責決議案が可決されたが、理由のひとつにはこれもある。

感情的なイメージより「ゆるさ」が目立つことも

一方で、感情的なイメージとは異なる「ゆるさ」もまた、ツイッターでは姿を見せる。地元グルメ・明石焼のお店をめぐり、どこの店か出題するクイズは泉氏の十八番で、直近は10月4日のツイートで、5200近くも「いいね」が付いた。

なぜ、泉氏のツイッターが「バズる」のか。考えられる特徴が、情報量の多さだ。

たとえば10月1日を例に取ると、肝いりの子育て政策をはじめ、税収、スポーツ、プラネタリウム、能など、市政を中心として多岐にわたるツイートを18回投稿。ツイッターの文字制限は、1投稿につき140字だが、多くの投稿は上限ギリギリまで、フル活用されている。

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