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泉・明石市長「政界引退」にネット民が落胆する訳 怒りの矛先がネット民に向く事はなかったが…

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  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
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泉市長がツイッターで愛され、それゆえ引退が落胆される訳

そもそもの話であるが、泉氏にとってフォロワーを含むネットユーザーは、「怒り」の対象に成りえなかったのではないか。

理想の政策を実現するうえで妨げとなる、一部の市職員・市議への憤りこそあれど、その矛先は市井の人々に向かなかった。国やメディアに対し、苦言を呈することはあっても、ネットユーザーに対してはむしろ友好的に接してきた印象だ。

2000年代前半の小泉政権時代、「抵抗勢力」が流行語になった。改革に対して障害となる守旧派を、リーダーと国民の共通敵として位置づける。そうした前例と重ねてみると、泉氏とフォロワーの関係性も、構図が似ているように思える。

泉氏のツイッターで印象的なのは「引用リツイート」の多さだ。一般ユーザーから寄せられたリプライ(返信)や、明石市に関する投稿を、私見を添えつつ紹介することで、自身が取り組む市政が対外的に評価されているとアピールできる。

また、ユーザーにとっても、遠くの存在だと思っていた「政治家」から直接反応をもらえるとなれば、より積極的にコミュニケーションを取ろうとするだろう。やりとりが活発化すればするほど、フォロワー増にもつながる。政策と信条を共有するフォロワーは、抵抗勢力と立ち向かうための味方になりうる。

泉氏は10月16日、諸般の事情を鑑みて、ツイッターを休止すると投稿したが、再開を求める声は絶えない。明石市の人口は、30万5294人(1日現在)。すでにフォロワー数は、市民のそれを超えている。

市長退任後について、泉氏は「市長を卒業し、新たな展開を図りたい」「明石市民のみならず、全国民のために自らの役割を果たしていきたい」などとツイートしてきた。

政界のインフルエンサーは、これから全国的にどんな発信をしていくのだろう。

もし実社会での暴言が続くとすれば、ツイッターでの姿は「ネコをかぶっている」と判断される。そうなれば、次第にフォロワーも離れていき、擁護の声は減っていくだろう。ネットとリアルは表裏一体なのだ。

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