一文無し帰国も「海外就職」のそう甘くない現実 「駆け出しエンジニアの就職」明暗を分けるもの
──なるほど。海外就職の目的が「年収アップ」というエンジニアも多いということでしたが、自分で年収アップを勝ち取るスタンスは問われるわけですね。
はい。ですから、まず意識したいのは、交渉力を含むコミュニケーション力です。自分のアピールなくして、受動的に高評価をもらい続けることはできません。
少しくらい語学がつたなくたっていいから、自分の実績をどんどん上司に伝えましょう。
日本人は「完璧じゃないとダメ」と思い込んでしまい、すばらしい行動をとっていても謙遜してしまう傾向がありますが、北米圏ではずうずうしいくらいがちょうどいいですよ。
なりたい自分の解像度を高めれば、成功確率は上がる
──Sennaさんが、海外就職を検討している若手エンジニアに必ず伝えていることはありますか?
前の話と重なりますが、渡航後に「どうなりたいか」をしっかりイメージしてほしいということですね。
日々いろいろなご相談を受けていると、海外就職うんぬんの前に、そもそも、どんなエンジニアでありたいか、エンジニアとして何がしたいのかすらぼんやりしている人もいます。
ただ、それだとどうしても、海外渡航後に「こんなはずじゃなかった」という状況に陥ってしまいがち。
勢いで海外に行って就活に失敗して帰国するというのも、経験ですから必ずしも「失敗」とは言えないかもしれませんが、やはり、気持ちもお金も消耗するケースが多いのは事実です。
そうならないために、まずはなりたい姿、手にしたいものをしっかり決めて、そのゴールに向かって情報収集をしてみましょう。自分が理想とする姿に近い状況にいる人に話を聞いてみるのはすごく有効だと思いますよ。
もちろん、自分だけでは十分な情報が集められないと思ったら、僕たちのような存在を頼ってもらうのも1つの手です。
せっかくのチャレンジを後悔で終わらせてしまわないように、“ふんわり海外渡航”をする前にじっくり考えてみてほしいと思います。
Sennaさん(@onepercentdsgn)
高校卒業後、Web制作者として制作会社に勤務。2008年、ワーキングホリデーを利用して渡航したカナダで就労、永住権を獲得してフリーランスへ。自らの経験を生かして北米留学・就労エージェント「Frog」を立ち上げ、代表を務める
取材・文/夏野かおる 企画・編集/栗原千明(編集部)
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