一文無し帰国も「海外就職」のそう甘くない現実 「駆け出しエンジニアの就職」明暗を分けるもの

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──若手エンジニアが海外就職を目指す動機としては、どんなものが多いのでしょうか?

「年収アップとキャリアアップを同時にかなえたい」という人がほとんどだと思います。

年収の観点で言うと、最近は円安ですから、ドルで給料をもらえるだけでもメリットがある。インフレの影響もあり、給料アップのスピードも日本よりずっと早いと思います。

また、キャリアアップの観点では、仮にカナダ、アメリカと北米圏で活躍できずとも、数年働いて帰国すれば、「海外経験があり、英語が話せて、プログラミングができる人材」にはなれるわけで、日本ではかなり重宝されるでしょう。

そのため、日本にい続けた場合と比較して、期待できる報酬レンジはぐっと高くなるはずですよ。

日本人の真面目な国民性がプラスに作用することも

──業界経験が浅いエンジニアでも、海外で働けるものですか?

はい。最低限語学力は必要ですが、日本のエンジニアは経験が浅くても仕事に一生懸命取り組む人が多いので、そういう面は海外でも評価されますね。

(写真:エンジニアtype編集部)

カナダやアメリカは会社都合での解雇がかなり多いのですが、私が見る限り、日本人エンジニアはなかなか首を切られないし、いい待遇も得やすい。

真面目な勤務態度、仕事をやり抜く責任感など、よく言われる日本人の国民性がプラスに作用している面があるのではないかと思います。

次ページ海外就職への関心が増えた中で、“何となく層”も増えた
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