なぜゴルフ?御殿場市が「ゴルフ婚活」始める事情 静岡県では初の取り組み、参加条件に課題も

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参加に男性が御殿場市在住・在勤という条件が付いているのが少し気になった。市の担当職員は「他の自治体の婚活イベントの事例を見て、女性は広く、男性は狭くしました」と話す。ただ、20~40歳の未婚で、ゴルフをやっている、または実際にクラブを握るのでやっていなくてもゴルフに興味があるという男性となると、募集する範囲が狭まってくるだろう。

「通常は条件を緩く設定して広く集めるので男性が先に定員になるのですが、今回は男性の集客も考えないといけません」(後藤さん)

御殿場市に限らず、自治体の主催となると税金を使うことになるため「市民のために」という制約も出てくる。自治体がゴルフを利用した婚活イベントを行う際に、参加条件が課題にもなりそうだ。

「まずはやってみて、次を考えたい」

「コロナで働き方改革が進めば、ゴルフをしながら仕事ができるという環境になる方も出てくると思います」と後藤さん。「今回はまずやってみようということで、やってみて次を考えたい」と市担当職員はいう。

社会問題にもなっている人口減少、移住・定住促進対策にゴルフ場を利用する、しかも自治体が行うというのは画期的なことではある。

コロナ禍で若い年齢層のゴルフ人口も増えているので、御殿場市の取り組みが広がって今後の婚活モデルの1つになれば、ゴルフ場の利用価値も上がってくるだろう。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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