博多大吉「生理痛のあまりのつらさを知った衝撃」 高尾美穂医師と一緒に「生理」について考える
高尾:多いですし、増えていますよ。病院で相談していい課題なんだと周知されてきたので。生理痛が重い、といって外来に来られますね。重いというのは、痛みが強くてつらいという意味なんだと思います。ただ、痛みだけでなく、経血の量が多いとか、生理前がしんどいとか、いろんな悩みが混ざっていることが多いです。
生理にともなう下腹部痛、腰痛、お腹が張る、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、下痢といった身体的症状、さらに精神の不調も含めて、すべて「月経困難症」といわれます。2013年の調査では、日本には月経困難症患者が約900万人いるとされました。(※日エンドメトリオーシス会誌 「内科と婦人科の連携をめざしての提言」)
大吉:そんなに多いんですね!?
高尾:言ってみればとてもありふれた悩みなのですが、ひとりひとりの女性はつらいですよね。別の調査では、生理痛がある女性のうち「かなりひどい(薬を服用しても会社を休むほど)」が2.8%、「ひどい(薬を服用すれば仕事ができる程度)」25.8%、「月経痛はあるが我慢できる程度」47.9%で、「月経痛は感じない」は21.6%だったとわかっています。(※女性労働協会「女性労働者調査」)
生理痛があっても我慢して仕事をするのは?
大吉:薬を飲まないと動けないぐらいお腹が痛いなら、だいたいの男性は会社を休むと思うんですよ。で、病院に行くんです。だって、お腹が痛いのはつらいし、心配じゃないですか。でも女性は生理痛があってもがんばって、普通の顔をしてお仕事されていたりする。しかもそれが毎月くり返される人もいる。
高尾:お腹が痛くて心配なのは、何かの病気ではないだろうか……ってことですよね。その点、生理痛の場合は原因がはっきりしています。「いま、生理だから痛いんだ」と本人がよく知っていて、だいたい2日後には痛くなくなるんだということも予測できている。つまり期間限定での不調だから、「そのあいださえ我慢すればどうにかなる」と考えるんです。
大吉:う~ん、それにしたって辛抱強いというか。