遂に決勝「キングオブコント2022」見所を徹底解説 正統派VS世界観派の戦い、審査員の反応も注目

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審査員の面々も、得意とするコントのスタイルはそれぞれだ。ダウンタウン・松本は『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)や『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』といった作品の中で、システムコントの原形となるような世界を生み出してきた。

またロバート・秋山は、独特なセンスのシステムコントを繰り出す場合もあれば、シチュエーションコントで笑わせる場合もある。共通するのは、自身のキャラクターを前面に押し出すコントを得意とすることだ。

バイきんぐ・小峠、かまいたち・山内もキャラクター性の強いコントを得意としているが、基本的にはシチュエーションコントの日常的な設定で笑わせる。東京03・飯塚は、同世代のサラリーマンという設定が多く、持ち味が異なる3人の個性を軸に展開するコントが多い。

もちろん芸風や見せ方は違うが、あえてくくりを設けるならば「システム」「キャラクター」「シチュエーション」という3種類のコントを好む5人で非常にバランスが取れている。さらには、自分とは違ったスタイルを認めている意味でも信頼性が高い。

審査員も日頃から若手のネタをチェック

松本は、2017年6月に放送された『ダウンタウンなう』(フジテレビ系・2015年4月~2021年3月終了)の中で、東京03やバイきんぐのネタを称賛し、飯塚は日頃からさまざまな若手のネタをチェックし、幅広いタイプの芸人に興味を示すことで知られている。

小峠は事務所の後輩たちのネタにアドバイスを送り続けており、『ABCお笑いグランプリ』(ABCテレビ)でも審査員を務める山内は、かが屋のコントを「『演技おもろい』という新しいジャンル」とコメント。秋山も昨年のキングオブコントで演劇的な手法を用いた男性ブランコに対し、「新しい」「見たことがなかった」と高く評価している。

今年は、この5人を唸らせるようなコント師は登場するのか。前大会でハートフルなコントが目立っていただけに、今年はブラックな笑いに対する評価が注目される。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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