遂に決勝「キングオブコント2022」見所を徹底解説 正統派VS世界観派の戦い、審査員の反応も注目

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一方、独自の世界を構築して笑わせる“世界観派”の中では、最高の人間ニッポンの社長ビスケットブラザーズが強く印象に残った。

最高の人間は、即席ユニットとして大会史上初の決勝組。巨匠(2016年解散)というコンビで2014年、2015年のキングオブコント決勝に進出した岡野陽一、2020年に「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝した吉住からなるピン芸人同士のコンビだ。

最高の人間
最高の人間(写真提供:©TBS)

同じ事務所の先輩、後輩であり、ブラック・ユーモアを好む点も共通する。それもそのはずで、吉住は巨匠のブラックな笑い、例えば「新聞紙にパチンコ玉を包んでおじさんを作る」といったネタの世界観に強く影響を受けたという。

「(筆者注:事務所ライブの中で)一番やっぱ面白いと思ったのが、巨匠のコントだったんですよ。だからあの人のせいでね、私はね(苦笑)。けっこうたぶん影響は受けてると思います」(YouTubeチャンネル「ゾフィーコントスタジオ ZOFFY CONTE STUDIO」の動画「【吉住とコントを語る①】コントの作り方と毒好きな2人」より)

吉住のコントに、狂気や後味の悪さを感じるのもうなずける。そんな2人は、今大会の準決勝でも持ち味をいかんなく発揮していた。

ニッポンの社長のコントも、ある種の狂気を感じさせる。2020年は「ケンタウロスとミノタウロスの出会い」を描いたコント、2021年は「高校球児にアドバイスを送るおじさんにボールが当たり続ける」というコントでキングオブコント決勝に進出した。

ニッポンの社長
ニッポンの社長(写真:©TBS)

今年の準決勝でも、特有の世界観で会場を沸かしていた。2021年の『NHK新人お笑い大賞』で大賞、今年の『上方漫才大賞』で新人賞を受賞。ロングコートダディと同じく、勢いづく彼らがコント師の頂点に立つ可能性は十分ある。

インパクトがあるビスケットブラザーズ

演者としての強さを考えたとき、真っ先に頭に浮かぶのがビスケットブラザーズだ。2人合わせて200キロ超えのコンビは、舞台上の立ち振る舞いだけでインパクトがある。

ビスケットブラザーズ
ビスケットブラザーズ(写真提供:©TBS)

とくに原田泰雅は、突飛なキャラクターで強引に見る者を笑わせてしまう地肩の強さを感じる。先月の準決勝を見ても、その芸風を生かしつつ、ありえない設定で笑わせていた。2019年以来、2回目の決勝進出でビスケットブラザーズが大会を制するか。

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