遂に決勝「キングオブコント2022」見所を徹底解説 正統派VS世界観派の戦い、審査員の反応も注目
日常的なコントを得意とする“正統派”の中で、とくに注目しているのが、や団、かが屋、ロングコートダディの3組だ。
や団は2009年、2014年、2016年~2019年と、実に6回も準決勝に進出している実力派トリオだ。そんな彼らが、ついに今大会で初の決勝進出の切符を手にした。準決勝の2ネタはいずれもクオリティーが高く、今大会で指折りの仕上がり具合だった。
私が直接取材したところ、3、4年前に事務所の先輩であるバイきんぐ・小峠英二から「自分たちの黄金比を見つけろ」とのアドバイスを受け、3人のセリフの割合を意識するようになってから、ウケ方が変わったという(2022年10月8日に『FRIDAYデジタル』で公開された「実力派コント師・や団が出場15回目で悲願のKOC決勝を掴むまで」より)。
芸人同士でお互いのネタにダメ出しし合う、ソニー芸人の底力のようなものを感じた。結成16年目の彼らが、今年ついに日の目を浴びるかもしれない。
2回目のファイナリストとなるかが屋は、ネタの切り取り方に個性がある。友人が部屋に入ってくる前に笑わせようと準備する一幕、電車内で居合わせた乗客との滑稽なやり取りなど、どれも設定自体はオーソドックスながら細部がユニークなのだ。
今大会の準決勝でも、その持ち味を生かしつつ、演者としてのポテンシャルがよく発揮されていた。このあたりは、マセキに所属しながら吉本興業のライブにも多数出演した経験によるものかもしれない。決勝当日は、そんな彼らのパフォーマンス力に期待したい。
勢いがあるロングコートダディ
勢いを感じるのが、ロングコートダディだ。彼らは関西芸人ながら、おぎやはぎなどの関東芸人を思わせる飄々とした雰囲気を持っている。ネタは兎のキャラクターを生かしたものが多く、シチュエーションコントとシステムコントのどちらも使いこなす。
キングオブコント準決勝でも、彼ららしいやり取りで大いに会場を沸かせていた。また昨年の『M-1グランプリ』決勝で4位、今年8月に放送された『オールザッツ漫才 真夏のゴールデンSP』(MBS)で優勝するなど、追い風も吹いているように見える。
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