BTSの道程、表現者としての「試練」「ある覚悟」 年上メンバーがデビュー時から続けてきたこと

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この詩の中でイヌイットたちは生活のこまごましたことについて、あらゆることを心配しています。でも、その心配とは無関係に、人生は驚きと喜びに満ちあふれているのです。この矛盾にこそ、人生の大いなる幸福のヒントがある。この詩はそのことを示唆しています。

J-HOPEは、心配性で怖がりな人として知られています。でも、それなのにAMRYたちから「私たちの希望」「私たちの太陽」と呼ばれる彼は、「夜が明けて太陽が空の屋根の上に昇ってくると 私の心は喜びでいっぱいに」なる人なのではないでしょうか。この詩を読んで私はすぐに、ホビの明るい笑顔が頭に浮かびました。本当にこの世界にこの笑顔があってよかったと、思わずありがたい気持ちにもなります。

実は、いちばん「熱い」人

ホビはメンバーの中でも実は一番熱い人なのでは?と思っていたのですが、先ごろのソロ活動でそれが証明されてしまった感があります。初期のころから、パフォーマンスに対するストイックさは人一倍でした。BTSのダンスの屋台骨になってきたのは彼で、それを成し得たのは、誰よりもパフォーマンスとメンバーに対する熱い情熱があったからこそでしょう。

J-HOPEは、メンバーから「欠点がないのが欠点」とも言われるほど、いつも明るくチームのムードメーカーで、常にメンバー間の調整役に努める配慮の人です。言葉よりも先に、行動で示す人です。そんな彼がファンにとって太陽のような存在であるのは、きっと彼が人生の中で不安にさいなまれながらも、いつでも驚きや喜びを見出す心を忘れない人だからでしょう。私たちはそんな彼を通して、人生の幸福に触れることができるのです。

(構成:能井聡子)

鳥羽 和久 教育者、作家

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とば かずひさ / Kazuhisa Toba

1976年福岡生まれ。専門は日本文学・精神分析。大学院在学中に学習塾を開業。寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、及び単位制高校「航空高校唐人町」校長として、小中高生150名余の学習指導に携わる。著書に『親子の手帖 増補版』(鳥影社)、『おやときどきこども』(ナナロク社)、『君は君の人生の主役になれ』(筑摩書房)など。また、BTSとARMYの関係性を論じたシリーズ講座「推しの文化論」も各所で好評を博す。

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