最後に業種ごとの取得率の平均値をご紹介しよう。10社以上の業種で最も高かったのは電気・ガス業の74.8%(11社)。続いて輸送用機器69.2%(46社)、ガラス・土石製品63.6%(13社)、情報・通信業61.0%(60社)などが高かった。
最も低いのは建設業の32.0%(49社)。他に不動産業35.7%(22社)、倉庫・運輸関連業36.0%(12社)。小売業36.1%(54社)といった業種が下位となった。
ただし、こうした下位業種でも変化の兆しが見える。たとえば、小売業は11年度31.2%(43社)→12年度35.3%(49社)→13年度36.1%(54社)と2年間で4.9ポイントアップ。倉庫・運輸関連業は同じく32.6%(10社)→33.6%(9社)→36.0%(12社)と3.4ポイントアップした。
一方で建設業32.1%(41社)→34.8%(42社)→32.0%(49社)、不動産業36.0%(15社)→36.3%(18社)→35.7%(22社)と一進一退。今後、下位業種の間でも大きな差ができるかもしれない。
このように変化の兆しも見えるが、上位と下位の業種での取得率の差はあまり縮まっていないのが現状だ。ただ、三越伊勢丹ホールディングスのように自社の状況にあわせた制度を導入して成果を上げる企業も出てきた。取得しにくいといわれる業種でも増やしていく方法はありそうだ。
たとえば、ランキング上位企業で目立つのは、半日や時間単位での取得、傷病や介護などに失効した有給休暇を一定分使えるよう使用範囲の拡大、全社的な取得推進の宣言などが整っている。これから比率を上げていこうとする企業はこうした先進企業の取り組みを参考に少しずつ進めていくのがよいのだろう。
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