また猪木氏が盛んに語る「外交に一方的な勝利はない」という信念も、「プロレスが相手の強さを引き立て、双方がウィンウィンの状況をつくることが最高の試合である」というその本質がよい意味で影響しているのであろう。
根底にあった「プロレス」の原体験の影響
猪木氏と話していて感じるのは、“ヒトの個性を活かした使い方”について意識が高く、たとえば元外交官である佐藤優氏の能力を外務省が活用できていなかったことにも触れられている。
この「それぞれの個性・強みを引き出して活躍させるべき」という信念も、根底にはプロレスの「レスラーの個性を見いだして、そのキャラクターでブレイクさせる」という原体験が影響しているのだろうか。
「猪木氏の強み」を考えたとき、その人脈は極めて国際的であり、自身が暮らしたブラジルだけでなく、キューバ、イラク、旧ソ連、北朝鮮といった、米国や日本と関係の薄い、どちらかと言えば敵対してきた陣営の国々の指導者と人脈を築くのに成功している。
よく猪木氏を色物扱いするメディアが多いが、この国際的人脈と驚異の突破力、そして国際的カリスマはもっと活かしようがあるのではないか。
次回の対談では、猪木の「燃える闘魂」が今後、どこに向かうのか、引き続きお話を伺っていく。
(この記事の後編:アントニオ猪木氏「外交に勝利なし」断言の深い訳)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら