「政治家アントニオ猪木氏」北朝鮮外交の凄い裏側 北朝鮮と「ここまで太いパイプ」を持てた深い訳

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ムーギー:議員外交ができる議員は本当に日本では見当たらないのですが、その中でなぜ、猪木さんは、中東などの諸外国で中枢の人物とパイプを持つことができたのでしょうか。

猪木:これはひとつには、「モハメド・アリと試合をしたこと」が非常に大きなプラスになっています。相手が興味持ってくれなければ、「誰々に会いたい」と言ってもなかなか会えませんが、私の場合、不思議なことにその国の首相や大統領にお会いできるんですね。

ムーギー:1990年の湾岸戦争のときに、猪木さんがサダム・フセインの心を開かせることができたのも、モハメド・アリと戦ったということが効いていると。

猪木:そういう要素もあったと思いますね。

ムーギー:実際、猪木さんが行くことによって、イラクの首脳部の心が動いたということですか。

話し合いでは「空気」を見極める

猪木:話し合いをしてね。やっぱり「空気」を見極めることが大事でしょう。堅い空気なのか、あるいは疑心暗鬼に相手をうかがっているのか。格闘と同じで、リングに上がったときに、対戦相手の外見だけではなく、気迫や魂まで含めた部分の見極めが重要です。

「闘魂」という字を書きますが、そこをどう感じるかですね。それは相手も同じです。だから嫌なやつだと思えば、相手も嫌なやつだと思うだろうし。

ムーギー:こういっては語弊があるかもしれないですが、猪木さんはものすごくチャーミングな方で、相手の心をつかむ、信頼関係をつくるのがものすごくうまい方なのかなと。そのあたりが外交でも生かされていますか

猪木:持って生まれたものもあるでしょうし、培ってきたものもあるでしょう。人間は、出たところによって反応が変わってくるじゃないですか。あまりシナリオはつくらないという方針でやっています。

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