ユニクロ制服導入で「購入費上がった!?」その理由 さいたま市立大宮北高校の新たな取り組み
一方、スカートについては「かわいらしさが不足している」ことが不満という。
「スカートにプリーツがないのがさみしい」「中学校時代の友だちと再会したら『OLじゃん』って、めっちゃ笑われた(笑)」。でも、ユニクロ制服を否定する雰囲気はない。いま、この制服に合わせるネクタイとリボンを試作中だそうで、それを着用すればユニクロ制服の印象は変わるかもしれない。
もう一つの問題点は防寒性だ。ポロシャツと同様に販売色すべてOKのセーターも用意されるが、上着のジャケットは風が吹き込みやすい。アイテムは全般的に生地が薄く寒いという。
「冬になったら旧制服の学ランを着るかもしれない。寒いよりはましだから」と男子生徒が言うと、周囲から「わかる、わかる」。
それに対して、筒井さんは「セーター販売が今月から始まっているよ。ヒートテックのスラックスの導入も考えているんだ」と言い、サンプル品を見せると、「へえー、すごい」と声が上がった。
保護者からはおおむね好評
午後、体育館に約800人の中学3年生と保護者が集まった。保護者はユニクロ制服をどう見ているのか?
「ユニクロ制服の導入で子どもたちにとって自由度と選択肢が増えた」(男性保護者)
「夏はポロシャツが選べる。ワイシャツよりも洗いやすい」(女性保護者)
「ふつうの制服に比べて購入費を抑えられる」(女性保護者)
旧制服一式約5万円というのは一般的な制服の価格である。しかし、ファストファッションが世の中に広く行き渡っているいまの時代においては、やはり高いと感じる。
「疑問があるのに、それを知らんぷりするのはいけないと思いました。当たり前を疑い、おかしいと思うことを放置せず、最後までやり切ることが大事、と生徒にも普段から言っていますから」(筒井さん)
大宮北高校の事例は生徒や教員の制服に対する思いだけでなく、「日本の制服の構図」を浮かび上がらせる。それが机上論ではなく、リアルなだけに強い説得力を感じた。
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)
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