上司に面と向かってほめられると、照れ臭かったり、社交辞令のように受け取られたりすることもありますが、自分がいないところでほめられていたことを知るのは、思いのほか嬉しいものです。ほんの少しの気づかいだけで、その部下は明日から楽しく仕事に向き合うことができるのです。
人を「ほめる」のと同じように、人を「叱る」ことも、日本人にとっては苦手なことの1つです。叱るというのは、「相手の非を具体的に指摘する」→「それがなぜダメなのか、理由を説明する」→「相手を納得させる」→「明確な注意を与える」……というのが基本です。
本来、そこに「感情」が入り込む余地はないはずですが、二流の上司の場合は、「腹を立てる」、「怒る」、「怒鳴る」などの悪感情が前に出てしまいます。
「何度、同じことを言ったらわかるんだ!」
「なぜ指示に従わないんだ!」
相手の理由を聞かずに、一方的に怒りを爆発させて、「申し訳ありません」と部下が謝るまでそれを続けます。相手が謝れば、問題が解決するわけではありません。怒っている自分の感情が収まるだけで、これでは何も変わらないのです。
しかし、超一流の場合は、部下を叱っても意味がないと考えています。
部下を「下」と見ているから
部下に何らかの非があった際、超一流が優先するのは「それがダメな理由」を理解させることと「対応策」を検討することです。「本当はどうすべきだったのか?」を一緒に考えることで、同じ失敗を繰り返さないための具体的なプランを作り、部下と共有するのです。
「謝る必要はないから、なぜそう考えたのか、本当はどうすべきだったのか、これからはどう対応すべきなのか、そこを冷静に詰めておこう」
頭ごなしに怒鳴られれば、部下は反省するどころか、反感を持つだけですが、紳士的な対応で一緒に善後策を検討できるのであれば、反省もするし、改善点も真剣に考えられます。
部下を会社の「後輩」とか「下の者」と見るのではなく、同じ会社で働く「同志」と考えられるようになれば、感情に任せた雑な扱いはできなくなります。
大人の対応を日常的に繰り返していけば、部下も自然とやる気になるのです。
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