また、聞く側の人にも、ある程度は許すという態度も必要です。それを冗談として受け止めるメンタリティーがないと、冗談はますます言いにくくなります。
そうなると、より閉塞感が高まりますし、何の笑いもなく、ただ仕事だけで信頼感を作らなければならなくなります。プレッシャーのかかる環境になり、逆に生産性を落としてしまう場合もあるでしょう。
ユーモアを学び、もっと活用しよう
ユーモアを活用するという視点は、もっと日本に広まってほしいと思います。『ユーモアは最強の武器である』は、ビジネスの場におけるユーモアのメリットがまとめられていますから、これをもっと多くの人が知って、活用してくれたらいいですね。
僕は、笑いに関する研修を行うこともありますが、とくに男性には、「どういう理屈で笑いが生まれるのか」という理論を知りたがる人が多いと感じます。本書は、その理論や笑いのレトリックが網羅されていますし、メンタリティーとテクニックの両面がきちんと整理されてもいます。
現役のコメディアンや、バラエティー番組のプロデューサーの発言が下地になってもいますから、説得力があるのです。本書をお笑い芸人に読ませると、「自分たちが普段やっていることが書いてあるんだけど」と感じるだろうなとも思います。
僕は、ビジネスにおけるユーモアの必要性を、15年間ずっと主張してきたのですが、日本では、意識的に取り入れている会社は、なかなか出てきません。
まだユーモアを勉強している人が少ないのが現状だからこそ、先取りして学ぶことで、武器にすることもできるでしょう。
数々のイノベーションを起こしてきたグーグルなどの会社は、ユーモアを大事に取り入れています。やはり、ユーモアの力は偉大です。それを使わない手はありません。
(構成:泉美木蘭、前編はこちら)
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