日本人の笑いが「グローバル」でなく特殊な深い訳 初対面でも通じるジョークをなぜ言えないのか

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また、聞く側の人にも、ある程度は許すという態度も必要です。それを冗談として受け止めるメンタリティーがないと、冗談はますます言いにくくなります。

そうなると、より閉塞感が高まりますし、何の笑いもなく、ただ仕事だけで信頼感を作らなければならなくなります。プレッシャーのかかる環境になり、逆に生産性を落としてしまう場合もあるでしょう。

ユーモアを学び、もっと活用しよう

ユーモアを活用するという視点は、もっと日本に広まってほしいと思います。『ユーモアは最強の武器である』は、ビジネスの場におけるユーモアのメリットがまとめられていますから、これをもっと多くの人が知って、活用してくれたらいいですね。

『ユーモア力の時代──日常生活をもっと笑うために』(日本地域社会研究所)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

僕は、笑いに関する研修を行うこともありますが、とくに男性には、「どういう理屈で笑いが生まれるのか」という理論を知りたがる人が多いと感じます。本書は、その理論や笑いのレトリックが網羅されていますし、メンタリティーとテクニックの両面がきちんと整理されてもいます。

現役のコメディアンや、バラエティー番組のプロデューサーの発言が下地になってもいますから、説得力があるのです。本書をお笑い芸人に読ませると、「自分たちが普段やっていることが書いてあるんだけど」と感じるだろうなとも思います。

僕は、ビジネスにおけるユーモアの必要性を、15年間ずっと主張してきたのですが、日本では、意識的に取り入れている会社は、なかなか出てきません。

まだユーモアを勉強している人が少ないのが現状だからこそ、先取りして学ぶことで、武器にすることもできるでしょう。

数々のイノベーションを起こしてきたグーグルなどの会社は、ユーモアを大事に取り入れています。やはり、ユーモアの力は偉大です。それを使わない手はありません。

(構成:泉美木蘭、前編はこちら

瀬沼 文彰 社会学者

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せぬま ふみあき / Fumiaki Senuma

1978年生まれ。西武文理大学サービス経営学部准教授、追手門学院大学上方文化笑学センター客員研究員、日本笑い学会理事。

1999年より3年、吉本興業にてタレント活動(NSC5期生)。著書に『ユーモア力の時代――日常生活をもっと笑うために』(日本地域社会研究所)、『なぜ若い世代は「キャラ」化するのか』(春日出版)、『笑いの教科書』(春日出版)、『キャラ論』(STUDIO CELLO)がある。

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