そのうえで、僕は、自分のキャラとしてのユーモアからは、脱出していくことが大事だと思っています。
例えば、人には、職場では「毒舌キャラ」だとしても、プライベートではとても親切でいい奴だという面があったりします。でも、ほとんどの人は、一度「毒舌キャラ」になれば、職場ではその認識されたキャラのままで通していきがちです。
お笑い芸人を見ていても、日本の笑いは独特で、身内ネタが目立ちます。テレビ番組を通して、身内の空間を作って、キャラを見せて、それをベースにして笑いをとるというパターンが多いのです。
ただ、ビジネスにおいては、グローバル化する世界のなかで、初対面の人とも笑い合えるユーモアを活用していくという発想が必要でしょう。
初対面の人や、クライアントの人に対しては、そんなにキャラを見せて接することはないと思いますから、身内キャラありきのユーモアではなく、初対面でも通じるユーモアが欲しいところです。
やはり、キャラから脱したものを考えなければならないのです。
その点、本書で紹介されていたジョークは、初対面でも使えるものが多いなと感じました。アメリカの場合、初対面向けのジョークの引き出しが多いのです。ジョークらしいジョークで、「ここ、笑うところだよ」というメタコミュニケーションがしっかり含まれてもいます。
笑いの「グレーゾーン」を認識せよ
本書では、ユーモアには人を傷つけるグレーゾーンがあるという話が書かれていますが、ここは本当に難しいところです。お笑い芸人の笑いを見ていても、なんの攻撃もしないジョークはありません。
ただ、ビジネスの場面では、上司が部下をいじる、性別を扱う冗談を言うとなると、ハラスメントに当たる場合があります。この笑いを、ここで行動していいのか、1秒だけ考えてから発言する必要があるかもしれません。
その点、自分の失敗談などの自虐は、使いやすいところだと思いますし、活用していくことができればいいなと思いますね。
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