国葬に直前で欠席「カナダ首相」知られざる人物像 19日には英国エリザベス女王の国葬にも参列
つまり、形式上は女王エリザベス2世の統治下に70年間置かれていたことにもなる。第29代首相(2015年~)のジャスティン氏が女王の国葬に参列するのは当然のことであり、国葬が行われた19日を、喪に服すためのカナダ国民の休日と決めたのも当たり前のことだと言える。女王の死去直後、ジャスティン氏は国民向けのビデオ声明に登場し「カナダの歴史のほぼ半分、われわれの女王だった。カナダ国民に深い愛情を注いでくれた」と話し、その死を悼んでいる。
安倍氏とも友好を確認し続けた間柄
一方で、7月8日にテロ行為によって暗殺された形となった安倍元首相とは、サミットや国際首脳会議などの場を通じて、日本とカナダの友好を確認し続けた間柄だ。元来ジャスティン氏が持ち合わせているフットワークの軽さからも、早々に国葬への参加を表明したのも本人にすれば当然の行動だったのだろう。日本はカナダにとって第4位の貿易相手国であり、経済面でも重要なのはもちろん、対米関係の重視の価値観を共有するパートナーとしても戦略的に重要だ。
安倍氏の死去が伝えられると、ジャスティン氏はすぐに声明を発表し、自身のツィッターでは「カナダは友人を失った。昭恵夫人や日本人はこの喪失を悼んでいると思う。君がいなくなると寂しい」と書き込んだばかりでなく、首都オタワの日本大使館にも直接弔問に訪れ、事件から間もなく行われた岸田文雄首相との電話会談でも重ねて哀悼の意を示している。
エリザベス女王の国葬に参列し、安倍氏の国葬への参列も予定していたジャスティン氏。数々の先進的な施策が保守層の反発を買い、支持率の伸び悩みに苦しみ続けている中で、女王陛下を敬い、テロに屈しない姿勢を強調、そしていち早い災害対策支援によって巻き返しを図る意図もありそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら