日経平均が2万円を突破する条件とは? まだ「15年ぶりの高値」ではない日本株

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さてそうなると、リーマンショックの安値から6年間も続いた金融相場が、きれいに業績相場に移行して、さらに3年続くと、NY株は都合9年上がり続けることになる。こんなうまい話があるのだろうか。

爛熟した7年目の金融相場であるだけに、利上げをきっかけに、次の業績相場のスタートラインを探る大きな調整安があるのではないかと危惧する投資家が増えている。「1波動6年の上昇は確かに長い、限界が近づいている」と言うわけだ。

筆者が、「年内利上げなし」を予想するのは、このまま世界の金余りに支えられて、バブルっぽい金融相場が7年目も続くという願望も少し入っている。

アメリカと比較して、日本株の波動は若い

対して日本株は、1年間のV字回復後、幸か不幸か鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と続く、日替わりならぬ年替わり民主党内閣の混乱で3年間の足踏みをしたため、15年ぶりの高値と言っても、上げてまだ2年の若い波動なのだ。

この波動の若さが、長く続いた「ダウの呪い」(ダウの数字に日経平均のそれが近づくと、大きく押し返されていたこと)を打ち払い、日経平均の優位性が鮮明になって来た理由だと思っている。この傾向はますますはっきりしてくることが考えられる。

日本株15年ぶりの高値の原動力は、外国人投資家の先物の買い戻しに負うところが大きい。外国人投資家の先物取引は、1月第3週から5週連続、計2兆3000億円も買い越している。ECB(欧州中央銀行)の金融政策で、欧州不安の中でも英独仏株の高値更新に負うところも大きい。

利上げされれば、債券の損失カバーのため、株が売られる。NY株が調整すれば、欧州株も調整する。外国人投資家が日本株を買う余裕は一気になくなる。やはり、引き締めの時期が大きなカギを握る。

おりしも、相場は「2日新甫(しんぽ)」(=月初のスタートが1日ではなく2日になること。「甫」は物事の始まりの意味)で、決算月でもある3月に入る。国内的にも動きにくい月だ。日本株の波動の若さが試されるところだ。

当面の日経平均の予想レンジは1万8200円~1万8900円としたい。2月末現在の25日移動平均線(1万7953円)は、ジリジリと上昇、3月6日には1万8200円前後まで上昇すると読む。この1万8200円からのかい離率ゼロから約4%の水準である。

 

 

 

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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