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中から「政府のコロナ対応」見た経済学者の課題感 科学的知見を活用して将来の危機に備えるために

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  • 仲田 泰祐 東京大学大学院経済学研究科 准教授
  • 藤井 大輔 東京大学大学院経済学研究科特任講師
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――これまでは、需要サイド、つまり政策現場に科学的知見を受け入れる土壌をつくるべきだ、といった指摘が多かったように思います。

仲田:分野によっては、政策現場が使えるよい分析や知見を研究者側がいつでも提供できるけれども、政策現場がさまざまな理由でそれを受け入れないというケースもあるのかもしれません。

また、供給側・需要側のどちらに改善すべき点が多いかにかかわらず、科学的知見を政策に活用しようという際にその役割を担いたいという研究者が、分野によっては多くないかもしれない、という可能性もあります。たとえば、経済学専門家の部局を政府の中につくったとしても、そこで2~3年フルタイムでコミットしたいと思う力のある優秀な研究者が、果たして日本にどれだけいるでしょうか。

政策分析への挑戦と気兼ねない学術研究、両方の尊重を

藤井:確かに、積極的に政策現場に関わりたいと考えている研究者は決して多くないのではないかと思います。やはり研究者の目的は、研究の世界にどっぷり浸かってよい論文を書くことです。だから、政策に直接関わりたい、政策現場の方々に発信したいと思っている人は、多数派ではないでしょう。

仲田:政府が研究者をフルタイムで雇用して専門家チームを組織するにしても、そこに適切なポジションやステータスが与えられ、十分な給料が保証される体制になっていなければ、実際によいメンバーを確保するのは難しいのではないかと思います。

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「科学的知見を政策に活用する」と言うと聞こえはいいですが、それも腰を据えた研究の蓄積と、普段の研究で磨かれた分析能力があってこそだと思います。現実世界から少し距離をおいて数年・数十年というスパンで研究することにももちろん大きな価値があります。

実践的な分析を政策・ビジネスの現場で応用する研究者ばかりになることが社会にとっての最適解であるとは思えません。実践に興味を持った研究者がいつでも政策分析に挑戦できる一方、そうでない研究者は気兼ねなく学術研究に没頭できる。この両方が尊重される環境を整えていくことが、将来の危機に対して備えるうえでも重要だと思います。

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