アパルトヘイト撤廃20年、激変の南アフリカ 南アフリカ全権大使に聞く

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私は、21世紀は女性の世紀だと思っています。南アフリカでも女性が高い地位に立ち、責任を持って動いています。私の母の世代が「女性もできる!」ということを示してトレンドを作ってくれました。私は次の世代のためにトレンドを作っていきます。

私の一番上の娘は16歳です。彼女が「Aeronautical engineerになりたい」と言って来たのです。その言葉を聞いた時にまず「Aeronautical って何?」とさえ思ったほどでした。宇宙ロケットやサテライトの部品を作るエンジニアらしいのですが、それが今の女の子達の意識を表していると思います。彼女達は「女の子らしい職業」には縛られていないのです。自分がそれに向いている、夢を叶えるためにチャンスがあるということを知っているのです。

女性自身が「女らしさ」の固定観念にとらわれずに意識を広くもつことが社会を変えていきます。能力を無駄にしてはいけません。

何より、イノベーションが高く評価される

――女性たちも活躍するために、南アフリカ全体のビジネスはどう変化していますか?

ペコ大使:今、南アフリカには120ほどの日系企業が進出しています。昔からのトヨタ、日立などはもちろん、近年は中小企業も進出してきていることをとても嬉しく思っています。

進出する際にぜひ知っておいて頂きたいことは南アフリカでは「イノベーション(新しいアイディアから意義のある価値を創造し、変革をもたらすこと)」が重要視されており、その意識を理解していないとうまくいきません。南アフリカとのビジネスを「南アフリカを助けよう」という意識で始めることはもう時代遅れです。そんな時代は終わりました。これからは長期に渡ってのパートナーシップを持つために来てください。

南アフリカは様々な分野でパイオニアです。心臓手術を最初に行った国ですし、CATスキャンもそうです。ロボティックスプログラムも進んでおり、掘削ではロボットを使って地下3キロメートルまで掘る事ができます。

いつもイノベーションの意識を持って取り組み、課題への解決策を作り出していくことが強みです。あるカナダ人は「世界で何か新しいアイデアをテストしたければ南アフリカが良い」と言ったそうです。新しいアイデアに対してオープンで、好奇心旺盛な南アフリカ人をよく表していますね。

南アフリカの人はみな様様なアイデアを持っています。知らないことを曖昧にせずに探求しますので、南アフリカでビジネスの交渉をしようと思った時にはきちんと調べ、アイデアを持って理論的に説得しなければ交渉に負けてしまいます。

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