「女子四季報」には総計985社の大手企業の採用状況が記載されていますが、この中から注目度が高い4系統の企業(上場企業、上場していなくても人気企業ランキング200位に登場する企業、有名マスコミ、大手系列企業)779社に調査対象を絞って調べてみましょう。
779社には、詳細な数字を発表していない企業もあったため、数値を把握できる587社を対象に分析してみます。就活での人気度合いによって採用傾向に違いが出るかどうかを見るために、この587社を以下のように分けて、女子総合職の採用度合いを調べてみました。
・S:2年連続人気企業ランキング60位以内の超人気企業
・A:今年度、人気企業ランキング100位以内の人気企業
・B:東証1部上場企業(持ち株会社傘下含む)
・C:その他上場もしくは大手系列企業
その結果、次のような傾向が現れました。
超人気企業(S)は、やはり女性採用比率が低く(17.9%)、人気大手(A)企業も女性比率は多少上がるレベルであり(23.6%)、東証1部上場企業(B)でもほとんど変わらない数字で(24.5%)、東証1部以外の上場企業や大手系列企業(C)まで広げて、女性の採用比率はようやく3割を超える(32.7%)。
大学生に占める女性比率が42.8%であることと比べると、大手企業の女性採用の少なさが如実に表れた結果だと言えるでしょう。
しかも、人気ランキングが上がれば上がるほど、女性採用比率が下がっていく、という傾向も見えてきました。
「女子のほうが優秀」に見えるメカニズム
人気ランキングが上がれば上がるほど、女性採用比率が下がっていくというこの構造が、実は、どこに行っても「女子社員の質が高くて、男子は見劣りする」という話につながるのです。
そのメカニズムを説明することにしましょう。
人気企業(S、A)は、男子学生の応募が大量にあるため、企業にとってライフイベントに対するコスト(出産・育児休業)が少ない男子を優先的に採用します。しかし、そんなハンデをものともせず採用される女子も、中にはいます。彼女たちは激戦を勝ち抜いた精鋭者なので、非常にパワフルで、人気企業でも大量採用した男子と比べて優秀さが際立ってみえるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら