日本の企業は、下駄を履かせてまで男子学生を優先して採用しているのが実態ですが、その理由はズバリ、日本の会社が女性より男性を雇いたいと考えていることにあります。
女性社長も「女子は採りたくない」と言う理由
企業の採用試験で、男子学生が優遇されている理由を問われると、「日本の企業社会は、なんだかんだ言っても男性中心だから、男子学生のほうが優遇されているのでは?」と、こんな感想を持つ人も少なくないと思います。
しかし、私は、男尊女卑という気持ちの部分だけが、企業が男子学生を優先して採用する理由だとは考えていません。
なぜなら、中堅・中小の女性社長が集まる会に出ても、同性である女性社長たちが「できれば男性を採りたい」と言うのを、私自身の耳で何度も聞いたことがあるからです。では、同性の女性社長たちにも「女子より、男子を採りたい」と言わせてしまう理由とは、いったい何なのでしょうか?
それは、女性の場合、結婚して妊娠すると、産前産後休暇、育児休暇、育児期間の短時間勤務と、長期間にわたり戦力から外れてしまう可能性があることです。
もちろん最近では、男性も育児休暇を取る風潮が一部では見られますが、まだまだ一般的ではありません。依然として、日本では家事・育児のほとんどが女性に任されているという、大昔のままの状況から変わっていないのです。
家事・育児の負担が男女平等であれば、どちらを採っても企業の負担は変わりません。その場合、優秀な女性候補者がいるにもかかわらず、男子学生に下駄を履かせて採用するという、本末転倒なこともしないで済むのですが、まだまだそんな理想的な状況には近づいてもいないのが現実です。
逆に言うと、家事・育児の多くを女性が負担する現況を変えないかぎり、就職活動で女子が不利になる状況は変わりません。ひいては、子供を産みたくないという女性が増え続けてしまうことになり、少子化に拍車をかける結果となるのが明らかで、非常に大きな危惧を抱いています。
人気企業ほど、女子を採用していない
では、実際に日本の企業がどれほど女子を採用していないのか、データを使って検証してみましょう。今回は、『就職四季報 女子版(2012年版)』(以下、「女子四季報」、東洋経済新報社)と日本経済新聞社発表の「就職人気企業ランキング(2012年版)」(以下、人気企業ランキング)の2つを資料として、実態を確認していきます。
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