丸亀製麺、ケニアにテリチキの店を出すワケ 海外ではうどんにこだわらず積極出店

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丸亀製麺を軸に成長してきたが、新たな業態の開発が課題だ

M&Aで一気にアクセルを踏みこむのか

トリドールとしては、さらに新しい業態を開発していく方針だ。ただ、丸亀製麺は売上高に対するセグメントの利益率が前14年3月期の実績で13%と、外食業界でも収益率の高さには定評がある。業界関係者の中には「丸亀の収益率が高いだけにかえって、新業態の多店舗化にゴーサインを出しづらいのでは」と読む向きもある。

また、昨年11月の中間発表の席上で粟田貴也社長が「新業態を創造するクリエイティブな部分がわが社にはもっと必要」と語ったとおり、業態開発やブランドのプロデュースとなると、これまでとは違ったノウハウや人材が求められるようになってくる。

ならば、浮かんでくるのは社外の資源を活用し、時間を買うM&Aという選択肢だ。実際、トリドールも前期から来16年3月期にかけての3カ年の中期計画で、M&Aによる新業態、新市場の開拓を戦略の柱に掲げてきた。ただその後、丸亀製麺が自社競合に苦しんだのは前述のとおり。

昨年の夏、週刊東洋経済のインタビューで粟田社長は「丸亀製麺が右肩上がりで伸びている中で、次の成長エンジンを育成する計画だった。だが、落ちる(既存店の前年割れ)のが私の計算より1年半、いや、2年ほど早かった」と明かした。

柱の丸亀製麺の既存店が持ち直し、財務基盤を強化、海外も来期には黒字化が見込めるようになった今、攻勢の機は熟してきたようにみえる。丸亀製麺に続く複数の成長軸の確立に向け、ここからM&Aもテコに国内外で一気にアクセルを踏み込むのか――。次の一手に注目が集まる。

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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