「インスタを参考にした家」がイマイチになる必然 「すてきな断片」を寄せ集めると残念なことに

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もちろん「おしゃれな空間で暮らすことが幸せ」である人もいるでしょうが、ただそれだけに目を奪われてしまえば、ほかに望むべきあらゆる要素が薄れてしまいます。

その反動は、家を建てた後に現れます。「使いづらい」「動線がよくない」「飽きた」……。そうやってストレスのたまる家になってしまうのは、本当に避けなければいけません。

では、幸せに暮らせて、かつおしゃれな家を建てるには、どうすればいいでしょう。

自分なりの「おしゃれの基準」をつくる

前提としては、先ほど述べた「ゴールデンルート」に従い、かなえたい暮らしから逆算していく必要があります。それを行う中での、「おしゃれな暮らし」を現実のものとする方法について、解説していきます。

まず理解しておきたいのは、「おしゃれさには明確な定義がない」ということです。おしゃれかどうかの基準は、自分の中にしか存在しません。何の基準もないまま、とにかく情報を集めようとすると、どこまでいってもきりがなく、いつまでも満足できずにインターネットの海をさまようばかりで疲弊するだけです。

また、自分に基準がなければ、自信を持って選択することができません。ようやく間取りが完成しても、それがつまらなく見え、「もっと個性的でなければ、注文住宅にする意味がない」といった強迫観念によりますます家づくりの本質を見失うことになります。ちなみに快適で住みやすい「幸せな家」は、間取りだけ見ればシンプルで、平凡なものが多いです。

情報収集の際には、ある程度集めた段階で、それらの画像や動画を並べ、共通項を探すといいと思います。そこで「インテリアは北欧風に惹かれる」「植物のある家が好きなようだ」「キッチンは……」「間取りは……」というような自らの傾向が見て取れるはずです。それを言語化していくと、自分が家に求めるおしゃれさの基準が固まってくるでしょう。

そのようにして一度基準ができてしまえば、情報収集の効率は格段に上がります。また、家全体にも統一感が生まれやすく、結果として印象がぐっとよくなります。

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