約6000万円の巨大キャンピングカーが人気の秘密 全長10m超、走る豪華スイートルームが売れる訳

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筆者は、2021年10月に、同じくワッツが扱うアレグロブリーズ31BRの2021年モデルを取材したが、その際も、はやりユーザーは最新型のほうを選び、完売などで手に入らないことで、「しかたなく」中古車を選ぶ層も多いと聞いた。その傾向は、より大きく、より高価なアレグロブリーズ33BRの2022年モデルも同様で、価格が上がっても、「しょうがないね」というだけで購入するユーザーもいるそうだ。ワッツによれば、主な顧客は会社経営者などの富裕層で、地元の熊本だけでなく、北海道から沖縄まで、全国にいるという。ともあれ、こうした高級な輸入キャンピングカーを購入する富裕層にとっては、価格アップよりも、より品質や使い勝手などがいい最新モデルを手に入れられるかどうかのほうが重要のようだ。

そのほかに気になった巨大キャンピングカー

Concorde Centurion 1200 GST
参考出品として展示されていたConcorde Centurion 1200 GST(筆者撮影)
STX Motorhome
参考出品として展示されていたSTX Motorhome(筆者撮影)

今回のショーでは、ほかにもスウェーデンのメーカー「KABE(カーベ)」を扱うカーベジャパンが、メルセデス・ベンツの大型トラック「アクトロス」をベースにした、全長12mの「Concorde Centurion 1200 GST」を展示。さらに、同じくアクトロスがベースで、全長11.98mの「STX Motorhome」も出展した。

小型自動車を格納
車両後方には小型自動車が格納できるというスケールの大きさ(筆者撮影)

これら2台は、いずれも参考出品ということで詳細は未発表。価格も公開されていない(億を超えるという説もある)。とくにConcorde Centurion 1200 GSTは、車体後方に小型自働車(展示ではフィアット500)も入ることで、インパクトは絶大、かなりの注目度だった。これだけ巨大な2モデルを、わざわざ会場に展示すること自体がかなり大変だっただろう。今回は、国内販売の有無も未発表のため、あくまで私見だが、ある程度反響が大きければ、実際に販売を開始することもありうるのではないだろうか。

日本ではあまり馴染みのない、巨大な輸入キャンピングカー。それらは、ここで紹介したとおり、日本で走る数こそ少ないが、一定のニーズはある。簡単に手が出せる価格ではないし、流通量も少ない。実際に所有するとなれば、駐車場など、維持の面でも大変だ。だが、一方で、それでこそ「夢の存在」なのだろう。ユーザー層の拡大や嗜好の多様化が進む今のキャンピングカー業界の中でも、「いつかは所有してみたい」特別なポジションにあるジャンルのひとつが、こうしたモデル群ではないかと思う。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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