約6000万円の巨大キャンピングカーが人気の秘密 全長10m超、走る豪華スイートルームが売れる訳
また、室内右側には、テーブル付きダイニング、湯沸かし器や流し台、電子レンジなどを備えたキッチン、トイレ付き洗面所、シャワールームなどもある。このモデルでは、駐車中に左右の車体側面を外側へせり出すことができる「スライドアウト」機構を備えるため、より室内を広くすることが可能だ。豪華でゆったりとした空間を楽しめる、さまざまな工夫がなされている。
さらに室内後方には、キングサイズのベッドや衣装の収納スペースなども完備。なお、2022年モデルでは、ナチュラルウッド製の棚などに、シャドーというカラーを採用し、より高級感を増していることも特徴だ。
2022年モデルが人気の理由
このようにアレグロブリーズ33BRは、高級リゾートホテルにあるスイートルームのような、豪快な室内を持つキャンピングカーだ。ただし、価格は前述のとおり、税込みで5940円とかなり高価。とくに2022年モデルは、前述のシャーシ改良やレーダークルーズコントロールといった走行性能の向上などもあり、車体価格が約5万ドル(発表された2021年当時の為替レートで約600万円)もアップ。おのずと、2021年モデルよりも価格が上昇してしまったという。
それでも3台輸入した新型は、取材時(2022年8月6日現在)で2台が売れ、残りは今回展示された1台。その1台も興味を持つ顧客が多く、数件の商談が入っているという。
ワッツでは、今回のショーに「アレグロブリーズ31BR」という同系モデルで、2017年式の中古車も展示した。全長は9.9mでやや短いが、全幅や全高は33BRと同じ。内装などの豪快さも同様の仕様だ。こちらの税込み価格は2950万円。約半額ということもあり、こうした中古モデルにも一定のニーズはあるが、やはりユーザーが最も求めるのは「最新型」だという。
理由は、ティフィンをはじめとするアメリカのキャンピングカーメーカーの多くが、毎年イヤーモデルを発表し、同じモデルでも旧型から進化するためだ。とくに今回の2022年モデルは、かなり走りがよくなったことで、ユーザーからの引き合いも多いという。
2023年モデルはさらに価格アップの見込み
ワッツによれば、来年輸入する予定の2023年モデルは「さらに価格がアップすることが予想される」という。しかも2022年モデルの約1000万円アップ、「6000万円後半になる可能性がある」そうだ。理由は、ティフィンの創立50周年を記念した特別カラーが出るなど、車体価格がさらに上がることと、昨今の円安だ。とくに円安は、車体価格はもちろん、輸送コストまで高騰するため、輸入ビジネスにはかなり影響が大きい。円安の進行が止まらない現状では、コスト高も価格へ反映せざるを得ないという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら