南カリフォルニア大学のオリ・アミールとアーヴィング・バイダーマンによる実験では、ロサンゼルスの〈グラウンドリングズ・シアター〉のプロのコメディアンたちと、アマチュアのコメディアンたち、そして一般市民たちに対し、「『ニューヨーカー』誌の表紙の絵に気の利いたキャプションを付けてください」と指示した。
参加者はふたつのグループに分かれてブレインストーミングを行い、いっぽうのグループはユーモアのあるキャプションを考案し、もういっぽうのグループは真面目なキャプションを考案した。そして実験中、どちらのグループの参加者たちもMRIスキャンを受け、この作業に対して脳がどのように反応しているかを調べた。
すると、コメディアンたちが考案したキャプションは、さすがによい出来だった。だが全体的に見ても、ユーモアのあるキャプションを考えていた参加者たちの脳内では、創造を司る領域が活性化していただけでなく、学習や認知にかかわるその他の領域(側頭連合野および内側前頭前皮質)も活性化していたことが明らかになった。
さらに、この創造力の向上効果は、最初の作業が終わったあとも長く持続することがわかった。
コメディアンは良いアイデアの天才
マサチューセッツ工科大学(MIT)のバリー・クドロヴィッツによる一連の研究では、コメディアンたち、プロダクトデザイナーたち、学生たちに対し、「ブレインストーミングを行ってから、風刺漫画のキャプションを考案してください」と指示した。
その結果、ブレインストーミング中にコメディアンが出したアイデアの数は、ほかの人たちが出したものよりも20%多かっただけでなく、アイデアの創造性に対する評価も25%高かったことが明らかになった。
アインシュタインは「創造性とは、遊び心をもった知性だ」と語った。あなたの知性も、もっと楽しませてあげよう。
(翻訳:神崎朗子)
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