「真面目なブレストは時間の無駄」な納得理由 笑いは機能的固着を解決し思考を柔軟にする

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

南カリフォルニア大学のオリ・アミールとアーヴィング・バイダーマンによる実験では、ロサンゼルスの〈グラウンドリングズ・シアター〉のプロのコメディアンたちと、アマチュアのコメディアンたち、そして一般市民たちに対し、「『ニューヨーカー』誌の表紙の絵に気の利いたキャプションを付けてください」と指示した。

参加者はふたつのグループに分かれてブレインストーミングを行い、いっぽうのグループはユーモアのあるキャプションを考案し、もういっぽうのグループは真面目なキャプションを考案した。そして実験中、どちらのグループの参加者たちもMRIスキャンを受け、この作業に対して脳がどのように反応しているかを調べた。

すると、コメディアンたちが考案したキャプションは、さすがによい出来だった。だが全体的に見ても、ユーモアのあるキャプションを考えていた参加者たちの脳内では、創造を司る領域が活性化していただけでなく、学習や認知にかかわるその他の領域(側頭連合野および内側前頭前皮質)も活性化していたことが明らかになった。

さらに、この創造力の向上効果は、最初の作業が終わったあとも長く持続することがわかった。

コメディアンは良いアイデアの天才

マサチューセッツ工科大学(MIT)のバリー・クドロヴィッツによる一連の研究では、コメディアンたち、プロダクトデザイナーたち、学生たちに対し、「ブレインストーミングを行ってから、風刺漫画のキャプションを考案してください」と指示した。

その結果、ブレインストーミング中にコメディアンが出したアイデアの数は、ほかの人たちが出したものよりも20%多かっただけでなく、アイデアの創造性に対する評価も25%高かったことが明らかになった。
アインシュタインは「創造性とは、遊び心をもった知性だ」と語った。あなたの知性も、もっと楽しませてあげよう。

(翻訳:神崎朗子)

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT