スポーツは、やはりネット中継するべきだ サーフィン大会は世界で620万人が視聴
2014年12月、21歳のガブリエル・メディナが、サーフィンの世界チャンピオンを目指してオアフ島のノースショアで勝負していたとき、彼の出身国であるブラジルで何百万人もが釘付けになっていたのはテレビではなかった。タブレットやラップトップPC、そしてスマートフォンだったのだ。
メディナが初めてタイトルを獲得した「ビラボン・パイプ・マスターズ」を、平均で620万人がインターネットの生放送で視聴した。この視聴者数は、2014年のNHL(全米プロアイスホッケーリーグ)スタンレーカップ決勝戦をテレビで視聴した米国人の数を上回るものだった。パイプ・マスターズは、米国のテレビでは一秒たりとも生放送されず、その代わりにユーチューブでストリーミングされた。
ネットなら、世界中のファンにアピールできる
WSL(ワールドサーフリーグ)CEOのポール・スピーカーは、「一般的なテレビとは直接的な関係を結びにくかった」と言う。「サーフィンはグローバルなスポーツで、つねに時差の問題がついて回る。それに、スウェル(うねり)が来るのを待っていなければならない」。つまり、サーフィンの試合を始めるには、波の状態が良くなるのを待つ必要があるということだ。「だから、ほかのスポーツのように開始時間と終了時間を決められない」。