クルーグマン教授、「緊縮財政」をメッタ斬り

ドイツの倹約主婦のようになるのは間違いだ

2014年からFRB議長を務めている、ジャネット・イエレン氏(写真:Gabriella Demczuk/The New York Times)

FRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャネット・イエレンを始め多数のエコノミストが、2008年以降の世界の経済危機はだいたいが「デレバレッジ」に絡んだものだと見ている。つまり、あらゆる地域の人々が一斉に負債を減らそうとしている、ということだ。

では、なぜデレバレッジが問題なのか。それは、「誰かの収入」は「誰かがおカネを使った結果」だからだ。私が使えば、それはあなたの収入になる。だから、全員が同時に支出を減らしたら、世界中の収入が減ることになる。

イエレンは2009年にこうも言った。「個人や企業にとっては、使い過ぎに慎重になることは賢明な行動なのかもしれない。実際、経済を普通の状態に戻すにはそれが欠かせない。しかしながら、慎重さは経済全体を苦しめることにもなる」

緊縮政策はまだ足りないのか?

では、これまで経済を「普通の状態」に戻すという点で、どれほどの進歩があっただろうか。実は、まったくなかった。政策決定者らは負債とは何かに関して誤った見方をしており、その誤った見方に基づいて行動してきた。そのため、問題を小さくしようという努力が、逆に問題を悪化させることになったのだ。

まず、データを見てみよう。先週、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートが「負債と(わずかな)デレバレッジ」というレポートを発表した。それによると、GDPに対する負債総額の比率が減少した国は存在しなかった。

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