東武日光線、「観光客が降りない駅」には何がある? 特急が通過する日光市内の上今市・明神・下小代

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「SLに乗るのが目的で来てくださる方に、プラスアルファのおもてなしが何かできないかということでいろいろ考えているんです。鬼怒川温泉駅では転車台のところでマイクパフォーマンスをしていたり、下今市駅ではベルでSLの発車を伝えたりしていますよね。同じように、東武日光駅でも何かないか、と」(阿久津管区長)

東武日光駅は駅舎・改札口を中心として両脇にホームが広がる変わった構造が特徴だ(撮影:鼠入昌史)

「そこで、いまは発車4分前に太鼓を叩いて合図をしているんです。というのも、150年前に新橋―横浜間で鉄道が開業した当初は太鼓を使っていたそうで。ここで東武日光駅の名物になったらいいなと思っています」(阿久津管区長)

SL出発の合図の太鼓、最初は10回ほど叩くようにしていたというが、だんだん担当の職員ごとに個性が出てきていて、発車直前まで叩き続ける人もいるとか。「叩く人のセンスです」と阿久津管区長は笑うが、こういったところも見どころの1つになっていくのだろう。

さて、かくのごとくSLがやってきて盛り上がる最中の東武日光線だが、今回巡ってみるのは、日光市内にある上今市駅・明神駅・下小代(しもごしろ)駅の3駅。みなさん、どんな駅なのか知っていますか?

下今市の隣が上今市

下今市駅は東武の日光線と鬼怒川線の分岐する駅で、SLの機関区も置かれているしもとより特急列車も停まるので知名度は高い。が、1駅日光寄りの上今市駅となるとどうだろうか。下と上、1文字しか違わないのに、上今市駅は特急もSLも停まらない。というわけで、さっそく訪れたのは上今市駅だ。

降りてみると、風情のある小さな無人駅舎があって、それを抜けると木々に覆われた公園が目の前に。大きな水車が目玉になっているこの公園は杉並木公園という。日光に向かう旧街道といえば杉並木だ。道ばたにビッシリと杉の木が植えられて、その中央を歩いて日光詣でを行った。そんな名残が残っているのが、この杉並木というわけだ。

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