人種のるつぼ新宿に中国人が突出して戻った理由 留学資格による中国からの入国者は10倍以上に

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新宿といえば新宿駅周辺の高層ビル群や夜の繁華街のイメージが強いが、実は都内有数の文教地区でもある。新宿区内の大学を見ると早稲田大学、慶応大学医学部、上智大学、東京理科大学、中央大学、東京医科大学など実に20近い大学のキャンパスがある。さらに高田馬場や大久保界隈には予備校や専門学校、日本語学校が集中している。都内きっての学生の街でもあるのだ。

その高田馬場が「変貌中」との情報が入った。そこで、新宿の外国人人口回復の状況を探るべく、高田馬場周辺にスポットを当て、8月末の残暑が残る平日の午後に街を歩いてみた。

再開発が進む駅前では新築ビルが建設中だ。大学はまだ夏休みなので日本人学生の姿は少ない。電車を降りてから、どこか違和感を覚えた。これはいったい何だろうか。駅前の再開発現場を後にして駅構内に戻ったところで、違和感の理由に気づいた。中国語の看板の多さである。駅構内や駅前に「名校志向塾」とか「行知学園」といった、なじみのない学校の看板が何カ所も掲示されているのだ。読めない文字もあるが、いずれも中国人を対象にした日本の大学受験用の予備校である。日本語学校も含め、高田馬場周辺だけで10数校あるという。

高田馬場周辺に集中する留学生向け予備校(筆者撮影)

日本語表記がある「行知学園」のサイトで、2022年の合格実績(学部・大学院)を見て驚いた。東京大学32名、京都大学24名、一橋大学26名、東京工業大学31名、早稲田大学127名、慶応義塾大学67名、明治大学51名、立命館大学129名など、そうそうたる大学名が並んでいる。

厳しい行動制限、入国制限が実施されていた昨年は、来日がかなわず受験できなかった留学生が多かったが、今年に入り徐々に入国者が増えている。ちなみに出入国管理統計によると、今年6月の留学資格での中国からの入国者は6869人(全国)で、昨年6月の10倍以上に膨らんでいる。

高田馬場の街巡りに話を戻そう。まずは、早稲田通りを小滝橋方向に歩いてみた。驚いたのは、通りを行きかう中国人をはじめとするアジア系の若者の多さだ。学校帰りのようで仲間と話をしながら楽しそうに歩いている。

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