中国が「小規模な侵略」を繰り返す超横暴な思惑 緊張を高めるリスクいとわず、支配領域を拡大

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緊張を高めるリスクを恐れずに支配領域を拡大する、あまりに横暴な中国の「サラミ・スライス作戦」とは? (写真:abzee/Getty Images Plus)
台湾有事が現実味を帯びるなか、注視すべき大国・中国。領土拡大策は以前から続いており、その思惑も徐々に浮き彫りになりつつあります。
天野修司氏の新著『地政学だけではわからない シン・国際関係論』から一部抜粋・再構成してお届けします。

1978年、中国の指導部によって改革開放路線が打ち出されてから、中国は、驚くほどのスピードと規模で経済発展を遂げてきました。

1980年、中国の名目国内総生産(名目GDP)は3030億ドルでしたが、2021年には、17兆4580億ドルにまで膨れあがっています。わずか40年あまりで、50倍以上になったということです。

それほどのスピードと規模で、経済が成長した国はこれまでの人類の歴史のなかで1つもありません。輸出志向の中国が、経済のグローバル化という流れにうまく乗ったということでしょう。

中国は、その急成長する経済力を、そのまま軍事力に転換しています。2021年の中国の国防予算は、2073億ドルです。これは、アメリカに次いで世界第2位の金額になっています。

その潤沢な資金を使って、中国は、軍事力の近代化を進めてきました。第5世代のステルス戦闘機、新型空母、極超音速ミサイルなど最新鋭の軍事技術の開発が進められています。パワーが急激に増大する勢力は、野心的になる傾向があります。中国も、その例から外れていません。

サラミ・スライス作戦

中国は、東シナ海や南シナ海で自らの領土を拡大する方向に進んでいます。

東シナ海では日本の領土である尖閣諸島周辺で強引な活動を行っています。2020年、尖閣諸島周辺の接続水域で、中国の海警船が確認された日数は計333日でした。これは、過去最多の数字となっています。

また、中国の海警船が日本の領海に侵入して、漁船に接近するという事例も増えています。そのような中国の行動が、何らかの突発的な事態に発展するのではないかと懸念されています。中国の行動は、尖閣諸島を自らの領土に組み入れたいという明確な意思の表れです。

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