中国が「小規模な侵略」を繰り返す超横暴な思惑 緊張を高めるリスクいとわず、支配領域を拡大
そのような巨大な経済圏の確立によって、中国が各国に与える影響力はさらに強まるでしょう。中国のパワー増大の源泉となっているのは、史上空前といわれる経済力の急速な増加です。それでは、中国の経済力はどこまで増加の一途をたどるのでしょうか。
中国の次に経済力の大幅な増加が期待されているインド
新型コロナの感染が広がる前は、多くの専門家が中国の名目GDPは、2020年代後半にアメリカを上回るであろう、と予測していました。
しかし、最近では、異なった見方も出てきています。2021年2月にキャピタル・エコノミクスが発表した分析結果では、中国は2050年になっても経済力で世界第2位のままである可能性が高い、となっています。アメリカを追い抜くことはできないだろう、ということです。
中国では、労働人口が減少傾向にあり、また生産性向上のスピードが遅くなってきていることから、そのような分析結果が出ています。また、日本経済研究センターが2021年12月に発表した報告では、中国の名目GDPは、2033年にアメリカを上回るが、2056年には再びアメリカが経済力で世界第1位の座を取り戻すであろう、と予測されています。そのような新しい分析も出てきてはいますが、今のところ近い将来、中国が経済力でアメリカを追い抜くであろうというのが大方の予想です。しかし、中国の経済成長がいずれ鈍化していくことは間違いありません。
その次に、経済力の大幅な増加が期待されているのはインドです。2021年のインドの名目GDPは、3兆1779億ドルで世界第6位です。
しかし、インドの経済成長率は、すでに中国を上回ってきています。国際通貨基金(IMF)の予測では、中国の経済成長率は、2022年4.4%、2023年5.1%となっていますが、インドの経済成長率は、2022年8.2%、2023年6.9%です。
中国の労働人口は2016年にすでにピークを迎えていますが、インドの労働人口のピークは2050年頃になるので、インドは今後も中国を上回る経済成長率を長期間にわたって維持し続けるでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら