人種のるつぼ新宿に中国人が突出して戻った理由 留学資格による中国からの入国者は10倍以上に
2018年に日本初上陸した中国でおなじみの庶民派食堂「沙県小吃」のドアには「高田馬場限定」だという魯肉飯(ルーローハン)のポスターが貼られていた。食欲をそそる。さらに早大方面に進んでいくと、中国で人気のザリガニ専門店もある。横浜の中華街のように飲食店や雑貨店が密集しているわけではないが、街全体に中国、中華の色彩が確実に強まっている感じだ。
ネットで調べたところ、確認できただけでも今年に入ってから火鍋、四川料理、羊料理など中国の現地料理の店が7、8軒オープンしていた。ある店の紹介サイトには「日本人客ゼロ。日本語も通じない」と書き込まれていた。中国人相手の商売をしているのだろう。
高田馬場では、コロナ禍の期間中、学生らに支持されてきた老舗の居酒屋をはじめ多くの飲食店やスーパー、洋品店、ライブハウスなどがいろいろな事情で閉店や廃業に追い込まれた。代わりにアジア系、とりわけ中国系の店が増えているという構図にみえる。
中国人留学生に絶大な人気を誇る早大にも立ち寄ってみた。学生の姿はまばらだが、正門に回ると「早稲田大学帰国生・外国学生共通試験」の立て看板があった。
大隈庭園の中に中国政府が寄贈した孔子像が建つ早稲田大学は、歴史的に中国との関係が深い。1899年(明治32年)以降、清国人留学生を受け入れていて、陳独秀や李大釗といった中国共産党創設メンバーが20世紀初頭に留学している。1998年には江沢民、2008年には胡錦涛と2人の国家主席が来日時に訪問したほどだ。中国人留学生のあいだで早稲田人気が高い背景には、そんな歴史的経緯もあるという。
「外国人留学生1万人」という目標を掲げている早稲田大学。2022年5月1日時点の外国人学生(日本以外の外国籍を持つ学生)は5488人で、その国籍は、なんと104カ国・地域となっている。コロナ前2019年5月1日時点の6124人と比べると636人減だが、昨年の5347人からは141人増。ここでも(外国人が)回復傾向にあることが分かる。
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