日経平均、「倍返し」ならどこまで上がる? なぜ「リーマンショック越え」は重要なのか
一方、225銘柄で構成される日経平均と同じく、東京市場を代表する指数にTOPIX(東証株価指数)があります。東証1部の全銘柄の時価総額の動きを指数にしたもので、2月24日現在では1508ポイントです。実は、現在のTOPIXは、2007年の高値よりも、まだかなり低い水準にあります。
TOPIXが07年高値を上回らないと、下落のサインに
日経平均が上昇するのが早すぎるのか、TOPIXが出遅れているのかは議論が分かれるところですが、今後注意しなくてはならないのは、TOPIXが2007年の高値を超えられない場合、「225銘柄だけが高くても、日本全体は強いとはいえない」という判断になり、いずれ日本株全体の弱気サイン(=下落しやすくなる)になる、ということです。
一方、目先はどんなことに注意すべきでしょうか。日米ともに、景気回復期待などから、長期金利がゆっくりと上がり出しています。むしろ、警戒しなければいけないのは、米国の利上げの実施時期に加え、その利上げが早まるだろう、と先走って金利が急上昇し、株価がそれを嫌気し大幅に下げることです。
金利の低下はコントロールできても、ここまで積み上がった「債券買い」の「逆」(この場合、金利は上昇)が起きたときには、コントロール不能になりかねないので、この点には注意が必要でしょう。
全体相場の話をしてきましたが、最後に、「会社四季報オンライン」のチャートを参照しながら、今年に入って注目を集めるソニー(6758)の見方を解説したいと思います。
先日発表の決算では、デバイス分野の黒字化が寄与したことや、今期はテレビ事業が黒字に浮上することなどで、連結の営業利益が従来予想の赤字から黒字になりそうだ、との報道が好感されました。「ソニーサプライズ」です。果たして、もう「オオカミ少年」のような下方修正は、なくなったとみてよいのでしょうか。
ソニーといえば、相場用語にもなった2003年の「ソニーショック」が思い起こされます。決算発表で減収減益となり、土日をまたぐ2日間続けて株価はストップ安となりました。
興味深いのは、「ソニーショック」があった2003年4月の終値が2900円でした。今回の「ソニーサプライズ」では、日々の値動きを示す日足チャートに2800円と3000円の間でマド(前日と当日の株価の間に空間ができる強気相場の典型的な動き)を作り、2003年の「ソニーショック」時の2900円を越えて打ち返す強い動きとなりました。
これは株価から見ると、「下方修正グセ」がなくなったことを示唆する動きとみてよいと思います。AV機器大手のソニーの業態が大きく変わったサインになるかもしれません。興味のある方は、「会社四季報オンライン」などを使いながら、ぜひ研究してみてください。
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