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大和ハウス「データセンター開発」の理想と現実 DCに巨額投資も、本音は「恐る恐る参入」

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大和ハウス工業は2025年度までにデータセンター20棟の開発を掲げて投資を続ける一方、慎重な姿勢も見せる。

建設中の「DPDC品川港南サイト」
東京都港区の日本通運の物流施設跡地で建設中の「DPDC品川港南サイト」。大和ハウスとしては都内初のデータセンターになる(写真:記者撮影)

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JR品川駅港南口から10分ほど歩いたマンション街の一角。その地で「DPDC(ディープロジェクト・データセンター)品川港南サイト」の工事が進んでいる。

「DPDC」とは、大和ハウス工業が4月に立ち上げたデータセンター(DC)ブランドだ。品川港南サイトは同社の都内初のDCとなる。敷地面積はテニスコート22面分に当たる5773平方メートル、地上7階建てで延べ床面積は2万3837平方メートル余りになる。

大和ハウスはDCの展開に、もともと強みがあった。2000年代初めからDC事業に乗り出した子会社のフジタは最近も東京都三鷹市で大規模DCを施工するなど、グループ内にノウハウがあった。

「DC」という金脈

大和ハウスは08年に小田急建設を持ち分法適用会社化(15年8月に完全子会社化し、同10月にフジタと経営統合)、13年にはフジタを完全子会社化した。自社の物流施設のノウハウのほか傘下のゼネコンも活用して、「DC」という金脈を掘り進める算段だ。

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