東洋建設をめぐり、前田建設工業などを傘下に持つインフロニア・ホールディングスと任天堂創業家の資産運用会社がTOB攻防戦を繰り広げている。

「(提案の)すべてが教科書的な内容だ。建設業界の状況や慣習、取引内容などをまったくわかっていない」
マリコン(海洋土木)業界3位、東洋建設の関係者はため息をつく。
東洋建設はこの半年間、難破船が海をさまようごとく、資本の理論に翻弄されてきた。
事の始まりは今年3月。前田建設工業などを傘下に持つインフロニア・ホールディングス(HD)が、約2割の株式を保有していた東洋建設の完全子会社化を目指してTOB(株式公開買い付け)を実施したことだった。
ところがこれに横やりが入る。任天堂創業家の資産運用会社、ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)が、TOB期間中に市場で東洋建設株を買い集めたのだ。
YFOは4月、東洋建設の経営陣の合意を前提に買収を提案。インフロニアHDのTOB価格1株770円を上回る1000円の価格を提示した。5月中旬には、東洋建設に対して130ページにも及ぶ書簡「東洋建設の経営方針・企業価値向上策(案)」を送った。
書簡の内容に失望
東洋建設関係者が失望をあらわにしたのは、この経営方針に対してだったのだ。
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